2007年頃に社会問題となった「消えた年金」について、記憶にあるという人も多いのではないでしょうか。ただ、この問題は決して過去のものではありません。約20年経ったいまも、さまざまな理由により年金記録の“漏れ”は存在しているのです。そこで今回、「ねんきん定期便」に記載された見込受給額の低さに違和感を覚えた50歳会社員の事例をもとに、「ねんきん定期便」確認時の注意点をみていきましょう。
年金加入記録回答票?なんですかそれ…50歳サラリーマン“青色のハガキ”に記載された年金見込額を見てショック→年金事務所に相談して“猛反省”のワケ【CFPが「ねんきん定期便の確認ポイント」を解説】
妻の思わぬリアクション
「なんでもっと早く確認しておかなかったの? 気にせずそのままにしていたら、もらえる年金が少ないままだったかもしれないのよ」
妻の言葉はもっともでした。たまたま今回ねんきん定期便を確認していなければ、誤った記録のまま将来の年金額が決まっていた可能性もあります。
「だよな、ごめんなさい……」
コウスケさんは、自分のこれまでの行動を振り返り猛反省、ようやく事の重大さに気づいたのでした。
「消えた年金問題」から約20年経つが…
2007年頃に一時期大きな注目を集めた「消えた年金問題」は覚えているでしょうか。いわゆる“持ち主不明”の年金記録が大量に存在していた問題で、その件数は約5,095万件にのぼり、多くの人の年金記録に影響が出ました。
かつて、年金記録は制度ごとに異なる番号で管理されていましたが、平成9(1997)年に「基礎年金番号」へ一本化。ところが、この統合作業の際に記録の紐付けがうまくいかず、本来つながるべき記録が分断されたまま残ってしまったことが問題の背景にあります。
この問題から約20年経ったいまも、さまざまな理由から記録漏れが発生する可能性はゼロではありません。特に、コウスケさんのように転職が多い人は注意が必要です。
昔は転職のたびに年金手帳が発行されていたため、「基礎年金番号」移行時の不備によって記録がうまく統合されず、宙に浮いたままになっているケースがあります。
もし「加入期間が短い気がする」「記載額が自分の記憶と合わない」といった違和感がある場合は、早めに年金事務所へ相談するようにしましょう。
なお、年金記録の確認は年金事務所の窓口で行えるほか、ねんきんネットの「持ち主不明記録検索」からも確認することができます。
自分の年金は自分で守る…国が自ら教えてくれることはない
今回の確認をきっかけに調査と手続きを進めた結果、将来受け取る年金額はねんきん定期便の記載額より月額でおよそ1万5,000円ほど増える見込みです。
「確認しておいて本当によかった……」
コウスケさんは、年金記録を確認することの重要性を改めて実感しました。
年金は長期間にわたって記録が積み上がっていく仕組みのため、わずかな記録漏れでも将来の受給額に影響を与えます。「自分は大丈夫だろう」と思い込まず、しっかり確認するようにしましょう。
辻本剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP
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