今年のゴールデンウイーク(GW)、予定は決まっていますか? 連休を利用して、離れて暮らす家族に会おうと考えている人もいるのではないでしょうか。もっとも、なかにはその帰省に怯える親もいるようで……。本来であれば楽しみなはずの息子一家の帰省が、とある理由から憂鬱なものに変わってしまった60代夫婦の事例をみていきましょう。
GWよ、こないでくれ…年金月27万円・貯金3,000万円の60代夫婦が“春の大型連休”に心から怯えるワケ。原因はGWに帰省予定の「30代息子家族」の存在【弁護士の助言】
親の「嫌われたくない」という弱み
本件のような「身内間のお金の問題」は、一見すると法律相談になじまないように見えますが、こうした相談は知人から意外とよく受けます。その深刻さの度合いは大小あれ、このような「成人した子からの過度な援助要求」に悩んでいる親世代は少なくありません。
ここに共通しているのは、「関係を壊したくない」という感情と、「このままでは生活が持たない」という現実との板挟みです。
法律的に整理すると、親から子や孫への援助は原則として「贈与」であり、支払義務があるものではありません。したがって、援助を断ること自体に法的な問題は当然ありませんし、将来にわたって支払いを継続すべき義務もありません。
他方で、一度継続的に援助を行ってしまうと、「期待権」のような形で関係性が固定化し、心理的には断りづらくなるのが実情です。
重要なのは、「法的にどうか」ではなく、「どう伝えるか」の問題だと思います。たとえば、「今後の援助額は一定の範囲に限る」「大きな支出は事前に相談してほしい」といったルールを援助する側で明確にし、夫婦で方針を一致させたうえで伝えることが現実的でしょう。
人間関係とお金の問題、非常に悩ましい問題です。感情的には甘くなる場面でも、老後資金は取り戻せない資産である以上、線引きを先送りにしないことが、結果として健全な親子関係の維持にもつながるのではないでしょうか。
山村暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士
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