地方で「カーシェアリング」は通用しない

「自動車なんて持たなくても大丈夫ですよ」「カーシェアで十分」などというのが、今どきの流行りのようになっていますが、なーに、山の中に行けばカーシェアリングなどありはしません。

自動車という移動手段が必要なのは、交通が不便な場所に住んでいる人で、じつは都会の人は自動車などなくても困らないわけです。結局のところ、そういうことだけを観察してみても、都市部の人たちだけの都合で国が動いていくのが、私は大いに問題だと思っています。

キャッシュレスも、カーシェアリングも、それを推し進めたい人が都会でどんどん先走っていくと、地方との差がますます極端になっていく……そして、若い人と高齢者との環境が、ほとんどお互いに理解できないほど違ってきてしまうというのも、この十年来の一つの顕著な動きではないでしょうか。

そうしたことを考えると、キャッシュレス環境という風潮についても、「ここでもう一度冷静になって考えてみたらどうだ?」と思うわけです。

GAFAなどの大企業、そのオーナーの大金持ちなどのやり方に引っ張られて、誰も彼もがデジタル環境で物事を進めていくことに疑いを抱かないのが、間違った考えだというのが私の基本にあります。

キャッシュレスのメリットは?

キャッシュレスになったからといって、さて何か得をすることがあるのだろうか? 「いや、ポイントが貯まります」と、人は言うけれど、それ、果たして本当に得なのか。

たとえば、出前サービス。あれも、考えてみれば、お金がかかるわけです。盛んにテレビでコマーシャルをしている、ということは要するに莫大な費用をかけて宣伝してるわけですね。それでも立ち行けるということは、それなりのお金を取って儲けているからにほかなりません。

街の中華屋さんなら、2本の足で歩いて行って食べればいい。Uber Eatsなぞを頼む必要があろうか、と。

蕎麦店とか中華料理店なんかでも、昔はみな出前をやっていたけれど、別にお金は取らなかった。サービスの一環として店の人が自転車などで配達してきたものです。

そういう時代よりも、Uber Eatsがお金を取って配達してくることのほうが、ほんとうにいい世の中なのだろうか? と、冷静になって考えてみたらどうかと思うわけです。