人生100年時代といわれるなか、老後に備えて資産形成を行っている人は多いでしょう。しかし、「貯めること」に執着しすぎると、思わぬ後悔に直面するかもしれません。60歳で資産1億円を築いた男性の事例をもとに、資産形成の際の注意点を見ていきましょう。
損したくない、それだけでした…60歳で「資産1億円」の男性、定年退職後に待ち受けていた“まさかの後悔”【CFPが「老後資金の使い方」を助言】
「総資産1億円」タダシさんの日常
とはいえ、お金を使わずにできることは限られます。無料でできるスマートフォンのゲームを始めてみたり、動画を見てみたりしますが、時間がありすぎるせいかすぐに飽きてしまいます。
お金も使えない。友達もいない。やりたいこともない……。静まり返った自宅で、タダシさんはふと考えました。
「俺、なんのためにお金を貯めてきたんだろう」
貯めれば貯めるだけ安心できると思っていたのに、心が満たされることはなく、タダシさんは自分でも説明のつかない虚しさに押しつぶされそうになっているといいます。
老後資金は「貯める」と同じくらい「使う」ことも重要
人生100年時代といわれるなか、老後に向けて資産形成に励む人は多いでしょう。しかし、老後資金は貯めるだけでは十分とはいえません。資産形成を行ううえでは、自身の理想のライフプランを見据えて「いくら必要なのか」「なにに使うのか」といった具体的な目標を設定することが重要です。
そのためには、毎月の生活費とは別に、どのような支出が想定されるのかを整理しておく必要があります。考えられる主な項目は下記のとおりです。
・介護費・医療費
・住宅関連費(修繕費や固定資産税など)
・レジャー費
・葬儀関連費
・車の買い替え費用
自身の年金見込み額や現在の資産、想定される老後期間などと照らし合わせて、それぞれいくら必要か考えていきます。
このとき役立つのが、「ライフプランシミュレーション」です。将来を正確に予測することはできませんが、数値で可視化することで、いまのままで足りるのか、あるいは今後いくら貯めるべきかといった過不足を客観的に判断できます。
もし資金が不足すると見込まれる場合は、支出の見直しや収入源の確保を行うなど、改善策を模索します。反対に、現在の資産で十分賄える見込みの場合には、過度に節約する必要はありません。旅行や趣味といった生活に彩りを加える支出を前向きに検討しましょう。
老後資金の確保はもちろん重要ですが、それと同時に、元気なうちにやりたいことを叶えるために健康にお金を使うことも、人生において大きな意味があります。