東武伊勢崎線 春日部駅ってどんな街?
はじめに、春日部駅のプロフィールや街の特徴について紹介します。
東武伊勢崎線 春日部駅のプロフィール


春日部駅は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)を利用すれば北千住駅まで30分程度。北千住駅で東京メトロ日比谷線および半蔵門線と相互直通運転を行っており、上野や大手町、銀座、日比谷などへ乗り換えなしでアクセスできます。また、東武野田線(アーバンパークライン)を利用すれば大宮駅へも15分程度と、東京都心や埼玉県内への通勤・通学に便利な立地です。
春日部駅周辺は、商業・行政・医療の各施設がバランスよく集積しており、「徒歩圏内で日常生活が完結する」コンパクトシティ型の生活環境が整っています。駅直結の商業施設こそありませんが、駅前には複数のスーパーマーケットやドラッグストア、カフェ、飲食店街があり、仕事帰りに日用品の買い物を済ませたり外食を楽しんだりと、ライフスタイルに合わせた使い分けがしやすい環境です。
また、市役所や図書館、病院、金融機関なども駅周辺に揃っているため、日常生活の利便性は非常に高いエリアといえるでしょう。子育て世帯にとっては、保育園や学校(県内有数の進学校である春日部共栄中学高等学校など)や医療機関へのアクセスの良さも安心感につながり、単身者や高齢者にとっても日々の買い物や行政手続きなどを少ない移動距離でこなせる点は大きな魅力です。
春日部駅は前述の通り、東京方面へのアクセスも良く、平日の通勤・通学だけでなく、休日にも都内での買い物やレジャーを楽しむことができるほか、埼玉県内随一の商業エリアである大宮での買い物や大宮公園など、豊かな自然スポットへのお出かけも気軽に可能です。
このように、「都心通勤の利便性」「地元で完結する生活利便性」「広域レジャーへのアクセス」の3拍子をバランスよく享受できる広域生活圏が形成されている点も、春日部駅エリアの大きな特徴と言えるでしょう。
春日部駅エリアを歩いて現地調査してみた
春日部駅にどんな人が住むのか、どんな街なのか、manabu不動産投資事務局メンバーが実際に現地を歩き、不動産投資の視点から感じたことを紹介します。
※春日部駅エリア(春日部駅を最寄りとするエリア):中央/南/粕壁/粕壁東

今回の現地調査は午前中の時間帯でしたが、前日の寒波で若干雪が積もっており、気温も手元の温度計で0℃と、かなり冷え込んだ中での調査となりました。
春日部駅の周辺を見ていくと、西口と東口のどちらにもかなり大きなロータリーがありました。調べてみるとかなり多くのバスルートがあったのですが、春日部駅には隣駅が東西にあり、西に位置する八木崎駅までは1.3kmほどの距離がある一方、東に位置する一ノ割駅までは倍にあたる2.6kmの距離があります。また、南北には近隣の駅はなく、電車だけでなくバスも地域の重要な足になっているようです。
駅周辺を歩いてみると、金融機関や不動産会社が多い印象。また、バーガーキングや松屋といったファストフード店や居酒屋、喫茶店なども揃っており、スーパーマーケットも複数あることから生活しやすいように感じました。個人的にドラッグストアはもう少し多くあってもよい気がしましたが、不便を感じるほどではないと思います。
駅から離れたところまで歩いていて思ったことは、どこを歩いても道はフラットで起伏が少ないこと。そして、大通りから路地に入って行っても、道路の幅員がしっかり確保されていて、車が通っても歩きづらさを感じなかったことです。駅の東口側に若干狭さを感じる箇所もありましたが、街全体としてしっかりと区画が整理されていることも、この街の暮らしやすさに繋がっているように思います。
また、特に駅西口のエリアですが、大勢の子どもが駆け回れるくらいの一定の大きさがある公園が複数あり、小さい子どもを抱える家庭の住環境として非常に良好と感じられます。
駅東口を出て400mほど直進すると、古利根川(一級河川)が流れていますが、このエリアをハザードマップで確認してみました。古利根川から南側の春日部駅があるエリアは0.5m~3mほどの洪水浸水想定区域に該当する場所が多かったものの、古利根川の北側のエリアを見てみると3m~5mや5m~10mといった洪水浸水想定区域に指定されている場所も多く、具体的に購入を検討する際には、事前に確認しておくべきでしょう。
春日部駅周辺の不動産会社にヒアリングした結果
春日部駅周辺の賃貸需要について、実際にどのような人がこの街に住むのかを聞いてみました。
まず、学生の賃貸需要については、近隣にある共栄大学や日本工業大学の学生からの賃貸ニーズがあるようですが、日本工業大学についてはやや離れるため、共栄大学の学生からのニーズがメインとなるようです。ただし、大学全体で生徒数が約1,400名と決して大きくはなく、親元から通う学生も多いため、ニーズ自体はあるもののやや限定的と考えた方が良さそうです。
一方、社会人の賃貸ニーズに関しては比較的幅広く、東武伊勢崎線が東京メトロ日比谷線や半蔵門線へ相互直通運転をしていることから、都内へ通勤する層からのニーズがあるほか、大宮駅方面へ通勤する人からも選ばれることが多いようです。また、それ以外にも、国道16号線や国道4号線が近いという土地柄もあり、工場や物流倉庫に勤める人からのニーズも強いそうです。
都内や大宮方面へ電車で通勤する人は駅近の物件を好む傾向にありますが、工場や物流倉庫などで勤務する人については基本的にマイカー通勤のため、駅からやや離れた駐車場付きの物件が好まれやすいといった傾向もあるようです。
また、都内へ通勤する人でも、初めは草加や越谷といったより東京に近いエリアで物件を探すものの、「もう少し家賃を抑えたい」、「もう少し広い部屋に住みたい」といった理由から最終的に春日部駅を選ぶ人も多くいるようです。特に、実家が埼玉県北部や栃木県、群馬県にあるなど、北関東エリアになじみがある人に選ばれやすいようです。
また、1LDK以上の間取りの物件供給がやや少なく、賃貸募集をすると比較的短期で成約するケースも多いようです。その一方で、1Rや1Kなど単身者向けの間取りについては、供給戸数もそれなりにあるため、広めの物件と比べると成約まで多少時間がかかるケースも多いようです。
外国人入居者については、他のエリアと同様に、ネパールやスリランカ出身者が多い傾向にあるとのことです。今回ヒアリングをした不動産会社では、来店者全体に占める外国人の割合は20%程度とそこまで高くないものの、不動産会社によってはもっと高いところもあるのではないかということでした。
春日部駅エリアの人口ポートフォリオ
ここでは、春日部駅の人口動態について、統計データをもとに紹介します。
人口推移
以下は、対象エリアの人口推移を示したグラフです。春日部駅エリアの人口は、2000年の34,225人から2020年には34,104人へと121人の減少(約-0.35%)にとどまっており、20年間を通じて大きな変動は見られません。2025年の推計人口は34,169人とされており、2000年比では56人減少(約-0.16%)と、今後も横ばいで推移する見込みです。

男女年齢別人口
以下は、2020年の国勢調査における春日部駅エリアの人口を、年齢別および男女別に表示したグラフです。

男女を合わせた35~64歳人口が12,762人(約42.1%)となっており、中堅・プレシニア世代のボリュームが最も大きい構成であることがわかります。65歳以上人口が8,681人(約28.7%)と全体の約3割弱を占めており、全国的な傾向と同様に高齢化の影響が見られます。
男女別では、男性14,639人、女性15,647人と、ほぼ均衡しています。年齢階級別の詳細は異なるものの、総数としては男女比が大きく偏っていない点が、このエリアの特徴といえます。
現在、春日部市は「教育・子育てのまち」として環境整備を進めており、子どもの預けやすさや施設の充実度などから地域ブランド調査などで高い評価を受けています。こうした取り組みが今後の若年人口推移にどこまで影響を与えるかは予測しきれない部分はありますが、こうした情報も事前に知っておくことで投資検討の参考になるかもしれません。
単身世帯/家族世帯割合
以下は、2020年の国勢調査を基にした春日部駅における単身世帯・家族世帯の割合を示したグラフです。

春日部駅エリアの世帯総数は15,655世帯で、その内訳は単独世帯が5,744世帯(約37%)、家族世帯が9,911世帯(約63%)となっています。
単独世帯率は、さいたま市の約36%とほぼ同水準である一方、東京23区の約54%と比べると大きく低く、春日部駅エリアは相対的に家族世帯の比率が高い構成といえます。
これらの数値から、春日部駅エリアは都心通勤圏に位置するベッドタウンとして、ファミリー層を中心に安定した居住需要が形成されているエリアであり、家族向け住宅との親和性が高い地域特性を有していると考えられます。
人口増加率
以下のグラフは、2000年を基準とした春日部駅エリア、さいたま市、東京23区の人口増加率を示したものです。

2000年を基準とした春日部駅エリアの人口増加率は、2020年時点で99.6%、2025年推計でも99.8%と、長期的に見ても変動はごく小幅にとどまっています。約25年にわたり人口規模は概ね横ばいと評価できます。
同じ期間において、東京23区やさいたま市は明確な増加トレンドを示す一方で、春日部駅エリアは大きな成長も縮小も起きていない中立的な位置にあります。この人口増加率の動きからは、短期間での需給構造の変化や、急激な人口流入・流出が起きている兆候は読み取れません。
賃料増加率(家賃相場推移)と募集期間の相関性調査
春日部駅エリアの賃貸募集事例のデータを集め、賃料や築年数、徒歩分数や、物件情報サイトの掲載期間を集計し、まとめました。
成約事例ではなく、あくまでも募集事例をもとに分析したデータですが、マーケットの動向を把握するうえでの目安として活用してください。
平均賃料相場推移(1K~1LDK)
以下は、春日部駅、さいたま市、東京23区それぞれの平均賃料相場の推移です。

春日部駅の平均賃料は、2022年9月の68,784円から2025年9月には79,063円まで上昇しており、約3年で約10,000円、率にして約15%の上昇となっています。期間中には2023年3月の65,379円など一時的な下落局面も見られますが、直近では7万円台後半を安定的に維持しています。
同期間の推移を比較すると、さいたま市は81,960円から92,694円へと約13.1%上昇、東京23区は110,613円から131,881円へと約19.2%上昇しており、春日部駅エリアの賃料上昇率は東京23区よりも緩やかな一方、さいたま市よりは高くなっています。
2024年から2025年にかけての賃料等推移

2024年から2025年前半にかけて、春日部駅エリアの1㎡あたり平均賃料は、2024年の2,482円から2025年前半には2,631円へと上昇し、中央賃料も2,437円から2,592円へと上昇しています。平均値・中央値のいずれも上昇していることから、一部の高額物件に限定された動きではなく、エリアの市場全体の賃料水準が底上げされている状況といえます。
一方、募集期間については、平均募集期間が75日から76日へとほぼ横ばいで推移する一方、中央募集期間は50日から45日へと短縮しています。このことから、標準的な条件の物件では成約までの期間が短くなっている一方で、一部には募集が長期化する物件も残っているという状況がうかがえます。
平均築年数は17.3年から15.4年へとやや若返っている一方で、平均徒歩分数は6.3分から6.5分と大きな変化は見られません。
賃料および募集期間の変動率

2024年から2025年前半にかけての変動率を見ると、平均賃料は約6.0%増加、中央賃料は約6.4%増加と、中央値の上昇率が平均をやや上回っています。このことは、賃料分布の中心部分においても、平均以上のペースで賃料の引き上げが進んでいることを示しています。
募集期間については、平均募集期間が約1.8%増とほぼ横ばいである一方、中央募集期間は-10.0%と短縮しています。この差から、募集期間の変化は全体一律ではなく、条件次第では成約に時間を要する物件も存在している状況が読み取れます。
投資のポイント
データから見た投資のポイント
春日部駅エリアは、2000年以降の人口が概ね横ばいで推移しており、急激な増減が見られません。世帯構成を見ると、家族世帯が6割強を占め、単身世帯比率は東京23区を大きく下回る水準となっており、都心部と比べてファミリー層を中心とした居住特性が色濃いベッドタウン型エリアといえます。
賃料面では、2020年以降、上下動を伴いながらも中期的には上昇基調で推移しており、直近では㎡単価ベースで平均賃料・中央賃料ともに切り上がりが確認できます。一方、募集期間については、平均値は概ね横ばいであるものの、中央値は短縮しており、一般的に成約スピードが速まっている点が特徴です。
春日部駅エリアは駅近商業地と住宅地が混在し、築年数や立地条件にも幅があります。そのため投資においては、相場から大きく乖離しない賃料設定と、物件条件の整理が重要となります。
データを見て、このエリアでの不動産投資として最も着目すべき点は、現時点では人口はほぼ横ばいで推移していることと、過去にこの駅別分析シリーズで取り上げてきた他の駅と比較しても50代以上の年齢の比率が高いことです。人口が減少傾向にあることは日本全体としての課題ではありますが、こうしたことも踏まえた上で物件の選定を含めた投資判断を行う必要があるでしょう。
現地調査から見た投資のポイント
生活利便性には優れており、街全体の道路などもきれいに整理されていて、住みやすさを感じられる街です。駅の高架化工事も進められており、将来的には駅前の環境が大きく変わる可能性もあります。
今回の現地調査で見えた春日部駅の賃貸需要の特徴として挙げられるのは、駅近と駅から離れた物件とで明確にターゲットが変わるということです。
駅近物件であれば、都内や大宮方面に勤務する社会人がメインターゲットとなり、駅から離れた物件であれば、工場や物流倉庫へ勤務する層がメインターゲットとなります。ターゲットに合わせて設備仕様や賃料設定を考える必要があるほか、駅から離れた物件であれば駐車場付きでなければターゲットがかなり限定的となり賃貸付けに苦労することも想定されます。
今回の春日部駅に限ったことではありませんが、不動産投資を行うにあたっては、その物件にどんな人が住むのかをあらかじめイメージし、それに合わせて物件の購入から設備の交換、賃料などの貸出条件の設定を戦略的に行う必要があります。



