「施設」か「在宅」か…本当に大切なこと

実は、施設に入ったものの「合わない」と感じて、別の施設へ移るケースは少なくありません。また、佐藤家のように子どもが引き取るケースもあります。しかし、在宅介護は想像以上に家族への負担が大きく、仕事の継続が難しくなったり、介護を巡り夫婦間の対立が起きたりすることもあります。

施設にも種類があり、費用もサービス内容も大きく異なります。また、それぞれの施設により特徴もあり、合う施設と合わない施設があります。最近では入居者の性格や身体状況、家族の希望を丁寧にヒアリングし、相性の良い施設を紹介する無料サービスも増えています。こうしたサービスを利用することで、自分(親)に合う施設を選ぶこともできます。

また、施設に入居する金銭的な余裕が無く、仕方なく家族が在宅で介護しているケースも多く見られます。「自分の介護のせいで子どもや孫の仕事や生活を制限してしまうことは避けたい」と思うのであれば、リタイア後の生活設計は、自分自身が要介護状態になることを前提に、早い段階から資金準備をしておくことも重要です。

介護の正解は、その家族によって異なる

佐藤家のように介護の選択肢に悩む人は多いでしょう。大切なことは、親の性格や価値観を理解し、専門家の意見を参考に選ぶこと。そして、家族全体の負担を考慮し、自分達がどうしたいのかを冷静に考え判断することです。

介護、感情だけで決めると後悔が残りやすいものです。何が正解かは、その家族によって異なります。複数の選択肢が自分達の生活にどう影響を与えるかを考慮し、選択することが大事です。

また、経済的な理由で家族に負担を掛けてしまうことは、避けるべきことです。突然やってくる“その日”に備え、自分や家族の選択肢を奪ってしまわぬよう、経済的な準備をしっかりしておきましょう。

小川 洋平
FP相談ねっと