帰省したAさんの目に飛び込んできた「まさかの光景」

後日、Aさんは筆者に帰省した際のことを話してくれました。

Aさんが約半年ぶりに帰省して玄関を開けたところ、実家の様子は明らかに変わっていたといいます。昔からきれい好きだった母が住んでいるとは思えないほど物が散乱しており、異臭もしていたそうです。

あ然とする自分を笑顔で迎えてくれた母親に一瞬言葉を失ったというAさん。しかし、母を動揺させないよう、冷静さを装い「家族みんなが心配しているから」と、Bさんと今後の善後策を話しはじめたそうです。

するとBさんは、素直にAさんが準備していった提案を受け入れます。そして、Bさんのかかりつけ医に紹介された認知症の専門医の診察を受けたところ、認知症とは診断させれませんでした。

とはいえその兆候はあるため、この結果を受けて、地域包括支援センターに相談に行ったそうです。

なおその間、Bさんは銀行で代理人などの手続きを開始しました。また、Bさんが持つクレジットカードも1社に絞ったそうです。

親が元気なうちにしておきたいこと

Bさんは、Aさんが同居を勧めても実家で生活すると言います。そこでAさんは帰省の回数を増やすことに。Aさんはできる限り、Bさんがエンディングノートに書いた文面を尊重するそうです。

Aさんの家計の負担は、当面は自宅と実家往復の交通費で済みそうです。ただ、高齢者はいつ急激に体調が変化するか分かりません。だからこそ、親が元気なうちにお金のことについて話し合っておく、また今回のケースのように、親の認知症に備えて、子どもはどのように対応するかを、事前に把握しておくことが大切です。

牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員