2025年6月、朝日新聞をはじめ複数のメディアが報じた「住民なりすまし男」のニュース。知人のコンサル会社に工事を受託させるため、住民を装いマンションの修繕会合に参加したとされる事件ですが、これは決して他人事ではありません。大規模修繕の現場には、住民が納めた「多額の修繕積立金」を狙う悪質な業者が紛れ込んでいるかもしれないのです。1級建築士・建山晃氏の著書『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)より、その手口と予防策をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
あなたは誰?…マンションの修繕会合に紛れ込んだ“見知らぬ男”の正体。実際にあった「悪質コンサル」の狡猾な手口【1級建築士が警告】
施工会社選びにも「セカンドオピニオン」のススメ
問題は誰が主導したのかということである。この件はかなり前から準備されていたと思われる。事前に事情を知らないとこんな芸当はできない。
私見ではあるが、大規模改修の情報を知っている内部の人間(管理会社・管理人・理事会・修繕委員会・住民など)からの情報を基に行動を起こし、情報提供者には成功報酬として工事金額の数パーセントを渡す予定だったのではないかと思われる。
しかし残念ながらこの場合の情報提供者を罪に問えるかは微妙である。「こんな案件がありますよ」と言っているだけでは問題ないからだ。
これでは誰も信用できないことになるが、数字は嘘をつかないのだから、コンサルや施工会社を決める場合は第三者の専門家に見積書の内容を見せて、アドバイスをもらうべきである。病気の診断をするように、セカンドオピニオンをぜひ行っていただきたい。
以上のように、悪質なコンサルにあたってその意見を鵜呑みにしてしまうと、あれよあれよと工賃をつり上げられ、莫大な損失を被る可能性がある。
建山 晃
1級建築士