公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金(2024年度)」によると、2020年から24年までの5年間で、マンションの管理費は約7.5%、修繕積立金は約16.5%上昇しているそうです。では、毎月徴収されるこのお金が、実際どのように管理・使用されているのか――。1級建築士・建山晃氏の著書『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)より、マンション大規模修繕の“ありえない実態”を紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
こんな詐欺まがいのことが許されるのか…70歳・一級建築士が自宅マンションで目の当たりにした「大規模修繕」のありえない実態
マンション大規模修繕の“ありえない実態”
2013年に築25年の内部リフォームされたマンションを購入して2年目に、抽選でマンション管理組合の理事に選任され、3年目に理事長を押しつけられてしまった。戸数は約150戸の、どちらかといえば大規模に分類されるマンションである。
私の職業は建設会社勤務の技術職で、1級建築士、1級施工管理技士の資格を持つ監理技術者だ。現在の年齢は70歳で、建築現場の施工管理、現場監督を続けて46年目になる。当時私が理事長を押しつけられた理由はそうした経験によるところと、2年目の理事のときにマンション大規模修繕の“ありえない実態”を見てしまったからだ。
理事のときに、第2回大規模修繕後の1年検査の立ち会いをした。そこで見たのは、屋上にできた水たまりと、排水不良で驚くべき形状になってしまった排水ドレーン周りだった。建築の技術屋としては呆れて笑ってしまう状況になっていた。
さらに驚いたのは、工事を監理した建築コンサルタントも、施工・管理をした施工会社も、平然と「これが最良の納まり(仕上がり)です」と工事を完了させ、私の前でもそう言い放ったことである。
この施工会社は現在も売上が500億円を超える大規模修繕工事の業界最大手の業者である。このような会社が素人相手にこんな詐欺まがいのことをしているのかと、同業者(?)ながら愕然とした。
そこで私が理事会で問題を提議したところ、施工会社にその状況を改善させることができた。このことにより、他の理事からどうしても次の理事長を引き受けてほしいと言われ、受けることになった。