ライフスタイルの変化などを受けて価値観が変わり、「共働き夫婦」や「子育ての分担」が当たり前になりつつあります。しかし、夫が外で働き、妻が家庭を守るのが当然とされていた親世代のなかには、その変化についていけない人もいるようです。朝日新聞取材班の著書『ルポ 熟年離婚』(朝日新聞出版)より、義母と夫による「役割の押しつけ」に苦しんだ50代女性の事例を紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
あなたの息子さんは、そんなにできた人ですか?…50代・公務員女性が夫の実家で“のど元まで出かかった言葉”を我慢。義母が口にする「悪気のないお節介」への嫌悪感【ルポ】
“独り”になった女性の本音
今、女性は、昔から大好きだった漫画やアニメの原画展や聖地巡りなどを楽しむ。ローカル線も好きで、「青春18きっぷ」で旅も続ける。もちろん、仕事も続けている。「今が、一番自分らしく生きている。人生で一番幸せだな」と晴れ晴れする。そうして、ふと、どうして結婚したんだろう、と思う。
結婚の良さは、何一つ理解できなかった。名字が変わることも、夫の嫁になることも、相手の家とのつきあいも。率直に言えば、面倒なだけだった。
結婚がうまくいかなかった最大の理由は、「元夫もその親も、妻ではなく嫁を求めていたこと」。それに尽きると考えている。
ただ、いま思えば、義父母とうまくやろうと思いすぎていたのかもしれない。お互いの価値観を理解して、干渉しない。ほどよい距離感でいられたら、もっと違ったのかな……。
それでも、相手の家に「嫁」として取り込まれていくざらりとした感覚は、いつまでもぬぐえない違和感として、残り続けている。
朝日新聞取材班