毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」について、受給見込額以外はしっかり確認していないという人もいるのではないでしょうか。そんな人は要注意です。「ねんきん定期便」について、特に注意深く確認したほうが良い人の特徴と、年金制度の見落としがちなルールについて、山﨑裕佳子CFPが事例を交えて解説します。
年金、間違ってないか?…年収1,300万円の50歳サラリーマン、日本年金機構から届いた“青色のハガキ”に不信感→年金事務所で判明した「まさかの事実」
年収1,300万円のエリート会社員「ねんきん定期便」にがく然
製薬会社に勤める会社員モトナリさん(仮名・50歳)は、現在妻(51歳)との2人暮らしです。ひとり息子は昨年、就職を機に独立。
夫婦だけの生活になってから、妻が気にし始めたのが老後の生活、とりわけ年金についてです。現在、モトナリさんの年収は1,300万円ほど。妻は専業主婦で、住宅ローンはあと7年残っていますが、教育費がかからなくなった分、家計にはゆとりが生まれていました。
ある日、妻がふと「年金はどれくらいもらえるのかしら?」と口にしたことをきっかけに、モトナリさんも自身の年金額が気になるようになりました。
そういえば、先月50歳になったタイミングで、日本年金機構からハガキが届いていたことを思い出したモトナリさん。実は多忙を口実に、中身はまだ確認できていませんでした。
モトナリさんの勤務先の定年は65歳です。あと15年は現役で働くつもりで、老後はまだ先のことだと感じていました。正直なところ、これまで年金について深く考えたことはなかったといいます。それにここ10年は年収が1,000万円を超えていたため、「心配しなくてもそれなりにはもらえるだろう」と、楽観視していたところもあったそうです。
ところが、「ねんきん定期便」を確認し、モトナリさんは愕然としました。そこに記載されていた年金受給見込額は約238万円、月額にすると約20万円です。
現在の手取りは月額75万円で貯金もあることから、世間から見れば優雅に暮らしているといっても過言ではありません。月約20万円となれば、いまの生活水準が維持できないことは明らかでした。
「これ年金、間違ってないか? たったこれだけなわけないだろ……こんなんで、どうやって生活していけばいいんだよ」
予想をはるかに下回る年金見込額に納得できないモトナリさんは、年金事務所に問い合わせてみることにしました。
そこでモトナリさんは、厚生年金制度の「意外な仕組み」を知ることになります。