満員電車に揺られ、時間に追われ多忙な日々を送るなかで、「定年後は都会を離れ、地方でゆったり暮らしたい」と定年後の移住プランを思い描く人もいるでしょう。ただし、地方移住には“認識しておかなければいけない注意点”があります。これを軽視すると、実際に移住したあと「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。東京から福岡に移住した60代男性の事例を通して、地方移住の理想と現実をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
“理想そのもの”だったのに…定年後「東京」から「福岡」に移住した退職金2,500万円の60代元公務員、わずか3年で“Uターン”したワケ【地方移住失敗記】
地方移住で後悔しないためのポイント
地方移住で後悔しないためのポイントは「暮らし」と「お金」をセットで考えることです。
今回紹介したシゲルさんの場合、まずは賃貸で暮らすという選択肢もありました。地域の雰囲気や生活リズム、人との距離感を実際に体験しながら、「ここで老後を過ごせるか」を冷静に判断しましょう。
次に大切なのが、資金計画の“見える化”です。年金収入を把握したうえで、退職金や貯蓄を「いま使えるお金」「老後後半のためのお金」「病気や介護に備えるお金」といった目的別に分け、年間どれだけ使えるのかを明確にしておきます。
さらに、性格的な向き・不向きの自己分析も重要です。地域に溶け込む努力ができるか、そうでない場合孤独を楽しめるかなど、移住後の「日常生活」を想像しておくことが大切です。
移住は単に住環境が変わるだけでなく、生き方そのものが大きく変化します。
後悔を口にするシゲルさんですが、たとえ3年間でも「やりたいことを実現できた」という達成感は否定してほしくありません。その経験は、これから定年を迎える世代にとって大切なメッセージにもなるでしょう。
そのうえで伝えたいのは、夢を実現させるには「熱意」や「行動力」だけでなく、冷静なシミュレーションと覚悟が必要だということです。
大竹 麻佐子
ゆめプランニング 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP)/相続診断士