大きな借金を申し込まれたらどうするか

前項のように、ちょっと昼食代を用立てるといったレベルの額ではなく、まとまったお金を貸してほしいと頼まれることもあるかもしれません。

あなたによほど経済的にゆとりがあって、「差し上げてもいいお金」があるなら別ですが、そうでないなら、トラブル回避のためにも、借金の申し込みには「NO」という勇気が必要です。

では、どう断ればいいのでしょうか。

徹底して「ない袖は振れない」を押し通すのがいちばん穏便です。

それでも「すぐに返すから、少しだけでも借りられないだろうか?借用書もちゃんと書くから……」などと迫られたときは、こう切り返すのがいいと思います。

「じつは自分も、あなたに同じことを言おうと思っていた」とか「我が家も家計は火の車で、食べていくだけで精いっぱいなの」などと相手よりもさらに苦しい状況にあることをアピールして、「貸さないのではなく、貸せないのだ」という点を訴えるのです。

要するに「こちらも生活が苦しくて、お貸しすることはできない」と頭を下げて、お引き取りいただけばいいのです。

「はっきりと断る勇気」も金銭トラブルを避けるためには必要

また、「ない袖は振れない作戦」が使えない場合には、「お金はトラブルのもとになるから、貸すのも借りるのも絶対ダメだっていうのが、親の遺言なんです」とか「友人とお金の貸し借りはしない主義なので」と、自分の信条・ポリシーとしてはっきり伝えるのもひとつの方法です。

その際もやはり、「お役に立てずに申し訳ないけど」と頭を下げれば、相手はわかってくれるはずです。それでもしつこく食い下がってきて、貸さないことを非難したりするような相手ならば、今後のつきあい方を考えたほうがいいかもしれません。

心おだやかに生きることを目標とする老後のひとり暮らしに、借金のトラブルなどは最も不似合いです。「君子危うきに近寄らず」で、金銭的な問題とはしっかり距離を置くように心得ておいてください。

逆にあなたにどうしても借金しなければならない状況が生じたとしても、ご近所を頼ってはいけないのは同じです。

保坂 隆
保坂サイコオンコロジー・クリニック院長