日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入しなければなりません。会社員は給料から天引きされるため未納リスクは低いものの、個人事業主は自ら手続きする必要があるため、なかには、「払わなければ年金を受け取れないだけだから問題ないだろう」と考え、未納のまま放置してしまう人もいます。ただ、その誤った認識は「取り返しのつかない事態」に発展する恐れもあるため注意が必要です。とある男性の事例をもとに、年金未納の危険性をみていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
後悔しています…年収800万円の55歳男性、日本年金機構から自宅に届いた「赤色の封筒」に戦慄【FPが警告】
青→黄→赤…国民年金保険料の「督促」を無視し続けると
保険料を滞納すると、日本年金機構から段階的に督促が行われます。
初期段階は「青色の封筒」で納付書や催告状が送られますが、一定期間放置すると「黄色の封筒」になり、やがて「赤色の封筒(最終催告状)」が届きます。
この段階になると、すでに延滞金が発生しており、未納のままにしている期間の全額納付を求められるなど、負担は大きく膨らんでいます。
そして最悪の場合、財産を差し押さえられるのです。
国民年金保険料は国の徴収権限が強く、差押えの範囲は銀行口座や給与、不動産にまでおよぶ可能性があります。
「保険料を払わなければ年金をもらえないだけだから問題ない」と考えるのは、大きな誤りです。公的年金制度は任意ではなく義務であるという本質を理解していないと、重大なトラブルに発展しかねません。
赤色の封筒は「最終警告」
日本年金機構から届く赤色の封筒は「対応しなければ差押え目前」の状況です。決して軽視することなく、すぐに年金事務所に相談しましょう。
酒井さんは分割納付により財産の差し押さえを免れたものの、数十万円を超える負担は決して軽くありませんでした。
赤色の封筒を受け取るのは恐怖ですが、同時に「今ならまだ間に合う」という最後のチャンスです。公的年金の保険料納付は義務であり、老後の貴重な収入源です。未納を抱えている人は、赤色の封筒が届く前に、至急対策を講じましょう。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役
