ニューヨークという厳しい街で生き延びるには

突然の解雇は誰しもショッキングですが、やはり大きいのは「お金の不安」です。来月のカードの支払いをどうしよう。家賃は払えるかな。生活費は賄えるだろうか……。「貧すれば鈍する」というように、「お金がない」という不安から精神的な余裕を失ってしまうのは、想像に難くありません。

解雇という不測の事態に直面したとき、大きな心の支えとなるのが「備え」です。具体的には、普段から節約を心がけて出費を抑える。貯蓄や投資をする。副業をして、収入の柱を複数持つ。不動産などの不労所得を得るなどの選択肢があります。

解雇に限らず、病気や事故などで誰もが働けなくなることがあります。そうした不測の事態に備えて「6か月分の生活費」を貯蓄しておくことが一般的に推奨されていますが、「しばらく仕事がなくても生きていける自分」でいられるかどうかが、心の安定に大きく左右するのだと思います。

米国では、税制の見直しや規制強化など、政策の変更によって「昨日までうまくいっていたビジネスモデルが、今日から通用しない」といった事態に陥ることも多いです。ニューヨークでの民泊ビジネスもその一例です。2023年9月から民泊にまつわる規制が強化され、Airbnbや個人ホストが大きな打撃を受けました。

「企業の業績や情勢など、自分がコントロールできないことに執着しても仕方ない」「解雇されたからといって、自分の価値まで否定しない」――そう思えるようになるには、時間も経験も必要です。けれどあらかじめ準備しておくことで、心の余裕は確かに生まれます。 

自分を責めすぎず、次に進める自分でいること。それが、ニューヨークという厳しい街で学んだしなやかな強さだと思います。

あっち