過去に大手医療保険会社のCEOが射殺される事件が起きるほど、米国の医療費は高額。現地の人々の強い不満や怒りの対象になっています。本稿は、ニューヨーク在住23年目のファッション/テクニカルデザイナー・あっち氏の著書『ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方』(KADOKAWA)より一部抜粋・再編集して、米国の医療や保険制度の実態についてご紹介します。
救急車で病院→あわや〈13万円〉の支払いに…「アメリカの医療費」が日本とはケタ違いに高いワケ
日本人旅行者は「海外旅行保険」に加入して渡米を
日本とは違い、米国には国民皆保険制度がありません。保険に入るかどうかは個人の自由ですが、その分、保険に入っていないと病院でとんでもない請求が来るのも珍しくありません。また、民間の医療保険に入っていれば「問題ない」とも言い切れません。
米国の医療保険制度はとにかく複雑で、「Deductible(ディダクティブル)」と呼ばれる、保険が適用されるまでに自己負担しなければならない金額が存在するからです。プランによって異なりますが、これが2000ドルから8000ドル(約100万円以上)にも上ることがあります。さらにこの自己負担額に達しないと、そもそも保険が適用されないというケースも存在します。
会社に所属しないフリーランスの場合、自分で保険に加入することになりますが、逆に低所得者の場合は月々の保険料の支払いが安くなったり、免除されたりするケースもあります。一つの決まったルールがあるというよりは、交渉次第で変更される可能性があるので、諦めたり遠慮したりせず交渉することをおすすめします。
“Health is wealth.”(健康が一番の財産)──これまでさまざまな投資や副業をしてきましたが、健康に勝るものはないのだとつくづく感じます。
そのため、健康管理には、日本にいたとき以上に気を配っています。私の場合、通勤時には混雑している地下鉄には乗らず、自転車で通勤しているのも、大切な健康管理法のひとつです。
また、普段からビタミンCをたっぷり摂り、定期的にヨガや筋トレを続けています。「風邪気味だな」と思ったら無理せず、早めの養生を心がけています。1本100万円の虫歯治療にはこりごりなので、歯磨きやフロスも欠かさず行っています。
日本からの旅行者や短期滞在者も油断は禁物です。米国旅行中に急病で救急にかかると、場合によっては数百万円単位の請求が来ることも。海外旅行や留学をお考えの方は、海外旅行保険に入ってから渡米することを強くおすすめします。もしも高額な請求書がきた場合は、交渉することで値段が大幅に下がることもあるので、ぜひ交渉をしてみてください。
あっち