年金制度の移行期を生きたことで、十分な年金を受け取れずに暮らす高齢者たち。特に夫を亡くした女性の貧困は、深刻な社会問題です。しかし、そうした人々を支えるための、あまり知られていない国の支援制度が存在します。ある日ポストに届く「緑の封筒」が、その重要な知らせかもしれません。本記事ではAさんの事例とともに、年金制度について、社会保険労務士法人エニシアFP共同代表の三藤桂子氏が解説していきます。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
亡き夫が遺した「最後の愛」…〈遺族年金ゼロ〉行き過ぎた節約で栄養失調の70歳妻を、時を超えて救った「緑色の封筒」【FPが解説】
亡き夫への感謝
Aさんは早速、給付金を請求。原則、請求した翌月分から、2ヵ月に一度、老齢年金と同じ日に振り込まれることになりました。
「救われます。夫に感謝しています」
夫が内緒で保険料を納めてくれていなければ、Aさんは老齢年金を受け取れず、この給付金の対象にすらならなかったかもしれません。時を超えて届いた夫の愛情に、Aさんは救われたのです。
「夫のためにも、これからはちゃんと栄養を摂って長生きしないとね」そう言って笑うAさんは、毎日、最愛の夫の写真に「ありがとう」と伝えています。
〈参照・出典〉
・制度の歩みとこれまでの主な制度改正
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/04/s0419-3d.html
・厚生労働省:年金を受けとるために必要な期間が10年になりました
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000143356.html
・日本年金機構:老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/rourei.html
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
共同代表