「介護を他人に任せてもいいのだろうか…」そう悩む多くの介護者に向けて、「コンビニくらい気軽に介護サービスを頼ってほしい」と語るのは、施設の生活相談員を務めながら介護職員としても現場に出る介護のプロ、のぶ氏。本記事では、のぶ氏の著書『読むだけで介護がラクになる本』(すばる舎)より一部を抜粋・再編集し、介護や介護サービスに対する考え方をご紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「自分の親の介護が終わったと思ったら、次は夫の親。もうメンタルが限界…」終わりのない〈在宅介護の負担〉を軽減する方法
もっと知ってほしい、気軽に頼れる「介護サービス」
介護サービスについて、びっくりするくらい世の中で知られていないな、と思います。まだ一度も介護サービスを使っていないご家族から、
「お風呂でちゃんと身体を洗えているか、不安で不安で……」
「1日に何回もトイレを汚して、孫たちが嫌がってしまって……」
「もう心も体もボロボロです……」 といった声を聞くことがあります。
たとえば、ショートステイを利用すれば、
●一晩中、寝ないで介護のプロが対応します
●お風呂は付き添わせていただきます
●トイレもそっと見守ります
すると、
「職員さんは寝ないんですか!?」
「お風呂まで入れてくれるんですか!?」
「トイレまで!?」
と驚かれることも珍しくありません。介護職にとっては、夜勤や入浴支援、排泄支援は当たり前のこと。職員は仕事なので遠慮は不要です。一晩だけでも、他人に任せて思いっきり眠ってください。
利用しなくてもいいので、「へー、そんなサービスあるんだ」と覚えておいていただきたいです。今は必要ないと思っても、いつか追いつめられたときに、その知識があなたを助けるかもしれません。
とはいえ、費用面でサービス利用が難しい方もいます。ご家族から「え! そんなのあるんですか!?」とよく言われるのが、下記の制度です。
・介護保険負担限度額認定証
・社会福祉法人等による利用者負担軽減制度
・高額介護サービス費
介護サービスを利用する前に、これだけは必ず調べてください。年間、ウン十万円変わってくることもあります。詳しくは行政の担当者まで。
のぶ
介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員