近年日本では50代以上の夫婦の離婚が増えています。外からは円満にみえても、長年のすれ違いや不満が静かに蓄積され、ある日突然別れを告げられることも少なくないようです。そんな熟年離婚の背景と、その後の暮らしの注意点について、50代夫婦の事例をもとにみていきましょう。ゆめプランニング代表の大竹麻佐子CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
さようなら…年収2,000万円の54歳エリートサラリーマン「妻が消えた!」と大騒ぎ。自宅のアイランドキッチンに置かれていた"1通の置き手紙"に顔面蒼白【CFPの助言】
離婚後…妻の誕生日に届いた「プレゼント」の正体
置き手紙から半年、2人は調停を経て正式に離婚が成立しました。しかし、その年の妻の誕生日に「思いがけない出来事」が起こります。
身に覚えのない「豪華な花束」が自宅に届いたのです。差出人は夫。添えられた手紙には、「夫婦だったときに伝えられなくてすまなかった。長いあいだ俺を支えてくれてありがとう」と書かれています。
「夫からの高価な花束に驚きました。花束をもらったのは、若いときに彼からプロポーズを受けたとき以来のことです。もしかすると、彼なりの形で責任を感じているのかもしれませんね。でも……、正直、嬉しくありません。離婚したことに悔いはないし、資金繰りは大変だけれど、前を向いて生きていきます」
妻は、凛とした表情でそう言いました。
夫婦のすれ違いは、ささいなきっかけであることがほとんどです。はじめは決して仲の悪い2人ではなかったはずが、きちんと向き合って話す時間が持てないことの積み重ねで離婚という結末を迎えてしまうことも少なくありません。
経済的な問題も含め、互いの状況を理解し、冷静に話し合えることが理想です。もし離婚という選択肢をとる場合も、可能であれば事前に計画を立て、納得できる形で人生を歩みたいものです。
大竹 麻佐子
ゆめプランニング 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)
相続診断士