56歳のサラリーマンAさんは、孫の誕生を機に人気の高級車アルファードを「残価設定クレジット(残クレ)」で購入。一般的に「損だ」といわれることの多い残クレですが、果たしてその実態とは。Aさんの事例をもとに、詳しくみていきましょう。牧野FP事務所合同会社の牧野寿和CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
残クレ最高…年収500万円の56歳サラリーマン「残価設定クレジット」で新車のアルファードを購入→4年後、世間の“残クレ叩き”に高笑いのワケ【CFPの助言】
残クレ最高!思わぬ展開にAさんの笑いが止まらない
その悩みのタネである車について、Aさんは次のように話しました。
「みんなでドライブするために車を買い替えたものの、息子夫婦も車を持っており、私の車を使う機会はほとんどありませんでした。高級車だから盗まれるのも怖いしメンテナンスも大変で……もう売ってしまおうかと思って」
仮に車を高額で売却することができれば、確かに家計の助けになります。
そこでAさんは、現時点で売却した場合の相見積をとりました。その結果、売却価格はなんと約535万円。購入した時(490万円)よりも高くなっています。思わぬ展開にAさんは笑いが止まりません。
あとはAさんがローンの借入元本残債分(推定値で約45万円)と残価(220万円)を支払って、車を自分名義にして535万円で売却できれば、約270万円を手にすることができます(諸経費は考慮せず)。
「4年間アルファードに乗ってお金が戻ってくる! 世間ではなにかと残クレが叩かれていますが、私からしてみれば『残クレ最高』ですよ」と、Aさんは笑いながら話してくれました。
その人に適した制度を利用することが大切
Aさんは、これまでの4年間に278万0,736円返済しています。家計的には、必ずしも手放しで喜べる結果ではないかもしれません。また、残クレを活用したからといって、いつも今回のような結果になるとは限りません。Aさんの日頃のメンテナンスの賜物でしょう。
残クレを利用するときは、残価や返済額、金利などをディーラーなどに確認しながら、制度を正しく理解して、上手に利用することが大切です。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員