FPが教える賢い退職タイミングの選び方

ファイナンシャルプランナーの視点から、アラカン世代が雇用保険を最大限活用するための3つのポイントと注意点をまとめました。

 【ポイント】

1. 65歳の誕生日の前々日までに退職手続きを完了
・基本手当受給中は老齢厚生年金が支給停止。家族の状況や生活費を考慮し、どちらを優先するか判断を。 

2. 年金との調整を理解する
 ・雇用保険受給中は老齢厚生年金が支給停止
   ・どちらを優先するかは個人の状況で判断

3. 会社のルールを事前確認
・定年退職日は誕生日や年度末など会社により異なる。退職タイミングの調整が可能か、事前に確認を。

【注意点】

・退職金が減額される可能性があるため、総額を確認。
・失業給付の受給には、労働の意思と求職活動が必須。虚偽の申告は違法であり、給付の返還や罰則の対象となります(雇用保険法第74条)。
・ハローワークで個別の状況(例:家族の介護、健康状態)を相談し、適切な受給計画を立てましょう。

退職のタイミングは、以下の観点で総合的に判断しましょう。

・経済的な損得(退職金、雇用保険、年金)
・家族の状況(介護や健康)
・自身の健康状態と働き方の希望
・退職後のライフプラン

田中さんは「妻の通院を支えながら、短時間勤務の仕事を探せた。経済的にも大きな差はなく、正しい選択だった」と振り返ります。

山田さんも「制度を理解し、家族にとって何が最善かを見極める大切さを学んだ」と話します。定年退職を控える方は、雇用保険や年金の制度を正しく理解し、ハローワークや専門家に相談しながら、最適なタイミングを見極めるようにしましょう。

三原 由紀
プレ定年専門FP®