社宅を退去し、終の棲家として念願の持ち家を購入

安達孝弘さん(63歳・仮名)は30年以上勤めた地方の大手メーカーを定年退職しました。退職金は1,800万円。65歳以降は妻の早苗さん(60歳)の公的年金と合わせて24万円程度は受け取れる予定です。

営業職で県内を転々としていたうえ、社宅に住むことができたためマイホームを買わずにいた安達さん。しかし、その分住居費を抑えられ、結果として1,000万円以上の資産を形成することができました。そのため、年金の受け取り開始までの期間は、パートで生活費を得ながら生活していこうと考えていました。

そんな安達さんは、退職と共に社宅を退去。そのタイミングに合わせて1,200万円で一戸建ての中古住宅を現金一括払いで購入し、400万円で水回りもリフォーム。計1,600万円を投じ、「終の棲家」として暮らすことにしました。

現金一括払いで購入したため住宅ローンはありません。それに加えて、少し歩けば1時間に1本は駅までのバスが出ており、病院も比較的近くにあるという好条件な立地。何不自由なく老後を過ごすことができる環境でした。

しかし、実際に生活がスタートすると悲劇に見舞われることになります。