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Tさんのその後

「Tさん、お気づきでいらっしゃるかもしれませんが、固定費だけでなく、食費や娯楽費も削減していく必要がありますよ」。FPがこう言うと、Tさんは苦笑いで次のように答えました。

「えぇ、わかっています……これまで十分楽しんだので、これからは老後を見据えて、質素に暮らさないといけませんね」

それからのTさんは、趣味のゴルフは続けながらも頻度を減らし、生活の質を担保しながら無駄な出費を抑えるようになりました。医師のアドバイスもあり、外食を控え、レンジで簡単に調理できる商品から自炊をスタート。お金に目を向けることで、だんだんと健康にも気を配れるようになり、糖尿病の治療経過は順調です。また、食費や娯楽費を見直したことで自動車ローンを完済。毎月の貯金額を増やし、ゆとりある生活スタイルになりつつあります。

たとえパートナーやご家族がいなくとも、「いまさえよければいい」という考えで浪費を続けていては、病気や怪我など万が一の際に身動きがとれなくなってしまいます。早いうちから健康に気をつけるとともに、老後に備え収支を把握する習慣をつけることをおすすめします。

〈参考・出典〉

◆知りたい! 糖尿病「2型糖尿病とは~生活習慣病、高血糖~」
◆糖尿病ネットワーク「糖尿病の医療費・保険・制度」

伊豫田 誠
FP事務所ストラット
代表/不動産投資専門ファイナンシャルプランナー