生涯未婚率は年々上昇を続け、昨年は男性が28.25%、女性が17.85%となりました。結婚せずに独身を謳歌するこうした“独身貴族”は、好きなようにお金を使える反面、将来への見通しが甘く、ひょんなきっかけで「破産危機」に陥るケースも少なくありません。50代サラリーマンTさんの事例をみていきましょう。FP事務所ストラット代表の伊豫田誠氏が解説します。
Jeepを乗り回してゴルフ三昧…年収650万円の“見栄っ張り”な50代サラリーマン「時間は金で買う」と強気だったが…節約に目覚めた“金欠ではない”理由【FPの助言】
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生活スタイルは変えずに「月2.2万円」の削減に成功
FPに一連の経緯と保険を見直したい旨を伝えると、Tさんが加入している保険について下記のように説明がありました。
FP「Tさんは30年前から、いわゆる「定期付終身保険」に加入していますね。これは、終身保険(死亡保障)のうえに定期で死亡保障・医療保障・ガン保障など複数の特約を付加するタイプの商品です。これまで数回更新をなさっているようですが、そのせいで保険料がかなり高額になっています」
Tさんが加入している生命保険の内容は下記のとおりです。
〈Tさんが加入している「定期付終身保険」〉
終身保険……死亡保障100万円
定期保険……死亡保障1,900万円
(特約)医療保障……入院1万円/日額、手術10万円/1回
ガン保障……ガンと診断されたら50万円
FP「50代独身のTさんに、この死亡保障額(定額部分)は過剰ともいえます。その反面、終身部分の死亡保障額は100万円と少額です。また、医療保障の特約は60歳までしか更新できず、万が一老後に入院や手術を繰り返すようなことがあれば心配な内容でもあります。
加入されたときには納得して契約しても、30年以上経つとライフステージや保障のニーズが変化します。Tさんの現在の状況には見合っていないかもしれません」
これまで浪費が激しい生活を送ってきたTさんは、これから貯金を始めるとしても十分な額になるかどうか不安です。老後の医療費が一番の心配だったTさんは、FPと相談のうえ、思い切って死亡保障は解約し、終身タイプの医療保険のみに切り替えることにしました。そうすると、保険の内容は下記のようになります。
〈変更後の医療保険の保障内容〉
終身医療保険:入院5,000円/日額
:入院一時金20万円
入院保障に特化することで保障内容がわかりやすく、毎月の保険料は3万円から9,500円に大幅削減が叶います。
さらに、愛車の自動車保険もネット型に切り替えることで、保障内容を落とさず毎月7,000円から5,000円にすることができます。
この2つだけで、Tさんは毎月2.2万円の固定費の削減が叶います。さらに、この浮いたお金は浪費しないよう、つみたてNISAで運用していくことを決めました。