毎月の支出を抑えるためには、固定費の削減が欠かせません。そして、固定費削減に効果的なのが「保険の見直し」です。ただ、保険を見直した結果、固定費を削減できたにもかかわらず後悔するケースも……いったいなぜでしょうか。FP事務所ストラット代表の伊豫田誠氏が、具体的な事例をもとに、保険の見直しで絶対にやってはいけない注意点と見直しのポイントを解説します。
保険営業マン「月の負担が半分になりますよ」…年収750万円の59歳・定年直前サラリーマン“大喜び”で保険を見直し→大後悔のワケ【FPの助言】
“口車に乗せられた”定年直前サラリーマンの大後悔
59歳のサラリーマンAさんは現在、3歳年下の妻と2人で暮らしています。このほか19歳の娘がいますが、大学進学を機に1人暮らしを始め、現在は別居しています。
Aさんの現在の収支は、下記のとおりです。
<収入>
年収750万円
<支出>
・生活費……月々約20万円(年間240万円)
・娘の学費や仕送り……年間約210万円
・住宅ローン……月々約10万円(年間120万円)
・保険料……月々約3万円(年間36万円)
■年間収支……年収750万円-606万円=144万円
Aさんは定年後も再雇用で働く予定ですが、年収は現在の750万円から400万円と大幅に減少してしまいます。現在は黒字をキープできていますが、支出を見直さないと老後の生活が不安だと考えるようになりました。
そんなある日のこと、Aさんは会社の同僚から「月々の保険料を見直したら支出が減った」という話を耳にします。
「それはいいな」と思ったAさんは、早速付き合いのある保険営業マンのBさんに相談することにしました。
月の保険料がいまの半分に減りますよ…営業マンの“甘いワナ”
Aさんが早速相談したところ、Bさんは「以前加入したまま放置している保険を解約して、新しいものに入り直しましょう。保険を見直すことで、毎月の負担がいまの半分になりますよ」といいます。
「そんなに減るの!?」と驚いたAさんは、保険の見直しを即決。Bさんの仕事も早く、大満足でした。しかし……
その後、解約した保険がいわゆる「お宝保険」であったことが発覚。Aさんは「カモられた!」と大後悔することになったのです。