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時間は金で買う…強気な“独身貴族”を襲った悲劇

都内企業に勤め、中堅サラリーマンとして安定した生活を送っているTさん。年収は650万円ほどです。50代に突入したもののパートナーはおらず、家庭を持った学生時代の友人とはいつしか疎遠に……。愛車のJeepを乗り回し、休日は趣味のゴルフを楽しんでいます。いわゆる“独身貴族”です。

見栄っ張りで負けず嫌いな性格のTさんは、ゴルフウェアやゴルフクラブの種類にもとことんこだわります。「それ、いいっすね。どこのですか?」ゴルフ場で出会った “独身貴族仲間”に話を聞き、より質の高いアイテムを手に入れるための情報収集を欠かしません。

そんな生活ですから、貯金はほとんどゼロ。よく飲みに行く後輩や部下のなかには心配してくれる人もいましたが、Tさんは「人生は1度しかないんだから、なるべくやりたいことだけやらなきゃ。だから俺は時間を金で買っているんだよ」と強気の姿勢。食事も外食ばかりです。仲間や職場の後輩を連れていく“いい店”はたくさん知っていますが、“体にいいもの”はほとんど摂れていない様子。年齢とともにお腹も出てきたものの「ゴルフで毎週のように運動しているし大丈夫だろう」と本人は見てみぬフリです。

ところが……。

ある朝、Tさんは総務から1通の封筒を手渡されました。毎年会社で実施している定期健康診断の結果が届いたようです。いつもは開封すらせず捨ててしまうTさんでしたが、同僚が「げっ! 俺、精密検査だ!」とこぼしているのを聞き、話に参加しようと開封。すると、Tさんの検診結果にも「要・精密検査」の文字が……。

飲酒の機会も多く、好きなものを好きなだけ食べる生活を送っているTさんは、以前から「糖尿病予備軍」と指摘されていました。しかし、他人事のまま気に留めず、とうとう今年は精密検査をするはめに。検査の結果、Tさんは「2型糖尿病」と診断され、教育入院をすることになりました。
※教育入院は、患者が糖尿病についての理解を深め、適切な管理方法を学ぶために行われる。期間は2泊3日~2週間と、病院によって異なる。