レジ待ち不要のスマホ決済!U.S.M Holdingsのアプリ「Scan&Goignica」
マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の共同持株会社であるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスが2020年から立ち上げた独自のデジタルブランドが、「ignica(イグニカ)」。この中で顧客向けサービス「Scan&Go」(スキャンアンドゴー)というアプリに注目が集まっています。
サービスの主軸は、自分のスマートフォンがレジになる「スマホ決済サービス」。買い物カゴに入れるタイミングでスキャンすると会計に反映され、買い物から決済までスマホひとつで完結。つまりセルフレジさえも並ぶ必要がないのです。また機能は決済だけにあらず、例えば購入商品の栄養バランスをグラフ化し、不足栄養素を補う商品をおすすめしてくれる「栄養バランス確認機能」は画期的なサービスの一つとして顧客満足度の向上に貢献しています。
ライフ「ビオラル」おいしいプラントベースフードを生み出す技術ノウハウ
上場する食品スーパーの中で2023年度における営業収益で業界1位に輝いたのが、ライフコーポレーション。首都圏・近畿圏を中心に312店舗を展開するスーパーマーケットです。この成長要因として挙げられるのが、ライフが持つ健康系プライベートブランド「ビオラル」の好調ぶり。“健康食品はおいしくないのに価格が高い”という従来イメージを大きく覆すようなヒット商品を続々提供しているのです。
ここでは、ビオラルの商品の中でも特に注目すべきプラントベースフード(植物性食品)のおいしさを実現するためのテクノロジーについて思いを巡らせてみることにしました。
動物性原料不使用なのに、濃厚で香り高いカレールー
植物性原料だけを使い、多くの人にとって確かなおいしさを実現するためには、熟練された製造ノウハウが求められます。ポイントは職人技と工場での製造技術を融合させて作りあげる点にアリ。
本商品の開発は、製造元であるエム・トゥ・エムの洋食屋時代に培った技術ノウハウを活用し、五味(旨味、酸味、塩味、苦味、甘味)のバランス調整を徹底的に追求しながら、最適な原料と加工技術を組み合わせて生み出されているとのこと。
もう一つは、「BIO-RAL 国産野菜で作った野菜だし 5g×9袋(429円)」。塩や砂糖を使わず、野菜(玉ねぎ、人参、にんにく、セロリ)の旨味と香りを生かしたシンプルなだしパックです。実際に飲んでみると、あまりのおいしさに驚いてしまいました。原料の足し合わせに注力される時代の中で、引き算の発想から生まれた稀有(けう)な名品と言って過言ではないでしょう。
これらの商品について、ノウハウや技術をどのようにデータ蓄積しているかは非開示とのことですが、熟練職人の勘や技をスーパーのPB商品として具現化している背景には、デジタル技術なくしては考えられません。
最新デジタルやAIを活用したスーパーマーケットの進化を実感いただけたでしょうか? その事例はますます多種多様になりつつあります。今後私たちの日常がますます便利になり、想像できないようなおいしさや楽しさが登場してくることは間違いありません。今後も引き続き注目していきたいところですね!
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<著者>
スギアカツキ
食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。