超高層ビルの建設、管理には、低層建築には生じない課題やコストがあります。それらを解決し、ビルを安全で快適な空間にする未来のテクノロジーを紹介します。
76人乗り新型エレベーターが活躍!超高層ビルを支える最新テクノロジー (※写真はイメージです/PIXTA)

行動認識AIを搭載した警備システム

 

 

世界トップクラスの行動認識AIを自社開発している株式会社アジラ(町田市)は昨年、神谷町トラストタワーでAI警備システム「AI Security asilla」の実証実験を開始しました。

 

日々多くの人が行き交うオフィスビルは、ビルのセキュリティ強化だけでなく来訪する人の安全確保のためにも、強固な警備が必要です。

 

神谷町トラストタワーは国際ビジネス拠点となる高層オフィスビルで、上層階にはラグジュアリーホテル「東京エディション虎ノ門」が入っています。駅直結でアクセス至便、あらゆる人が行き交う場所であるからこそ、よりシビアな警備体制が求められ続けるでしょう。

 

不正侵入や防犯、盗難、不審行為に予想されるリスクをチェックするのに、これまでは人力に頼っていましたが、このAI Security asillaの導入によって、既存のカメラを活用しながらもさまざまな見守りができるようになりました。

 

asillaは、既存のカメラをAI化します。喧嘩や暴力行為・侵入・たむろといった迷惑行動、急病人やふらつき・白杖や車椅子の方の見守り、混雑状況や人数カウントといった人数検知を行います。さらに特許技術として、突然走り出したり物を振り回したりする、通常から逸脱した動きを「違和感」として検知します。

 

これらすべての異常や見守りが必要な事象の発生から、約1秒で即時通知するのがAI警備の真価。人間の目だけではフォローできない、あらゆる人や物の動きを見逃すことがなくなり、網羅的に警備することができます。また、サーバー一台でカメラ50台分を解析できるうえ、既存のカメラを活用することから、比較的安価であることも特徴です。

 

参考:AI警備システム『AI Security asilla』

https://jp.asilla.com/products

超高層ビルの現場で活躍の幅を広げる最新テクノロジー

人間の弱点や人手不足を補い、効率的に高精度なパフォーマンスを実現することができる最新テクノロジー。超高層ビルの現場でも活躍の幅を広げています。少し先の未来では、欠かすことのできない存在になっていることでしょう。

 

 

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<プロフィール>

有馬美穂

 

ライター・エディター。2004年に早稲田大学第一文学部を卒業。『VERY』等、さまざまな雑誌媒体で女性のライフスタイル、健康、教育、ジェンダー、ファッションについての取材執筆・構成を行う。