昨今、空港は深刻な人手不足に悩まされています。空港の地上業務を行うグランドスタッフの数は、国土交通省のデータ(※)によると、新型コロナウイルス拡大以前と比べて約1~2️割減少しています。空港は24時間体制で安全かつ万全なサービスを求められるため、スタッフの負担が大きいことも課題として指摘されています。一方で、海外旅行客によるインバウンド需要や国内旅行客数は高まっています。スタッフの業務負担を減らし、ツーリストを快適な空の旅へと誘う、空港での活躍が期待されるテクノロジーを紹介します。※参照:我が国の航空をとりまく現状|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001614477.pdf
空港の手荷物検査をAIでスマートに。空の旅をもっと安全に、楽しくするテクノロジー (※写真はイメージです/PIXTA)

 ※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

空港の手荷物検査をAIでスマートに。X線検査判定支援システム

空港での手荷物検査に使用されるX線検査装置。検査員によってX線の映像が視認され、持ち込み制限されている物品であるか否かが判断されています。そうしたなか、AIが映像判定を支援するシステムの実証実験が、日本航空(JAL)、南紀白浜エアポート、日立製作所、セノンにより行われました。

 

X線検査判定支援システムの仕組み/提供:日立製作所
X線検査判定支援システムの仕組み/提供:日立製作所

 

X線検査装置に通された手荷物の映像は、まずAIによって判定されます。X線検査映像とAIの判定結果は、保安検査場から離れた集中監視スペースへ送信されます。集中監視スペースにいる検査員はそれらを遠隔監視して、検査結果を現地警備員に通知するという仕組みです。

 

この実証実験の目的について、4社は「AIと検査員が協働する仕組みを構築することで、空港の保安検査業務の高度化、および増加する航空需要に対して検査待ち時間を短縮し、検査員の業務量の約20%削減をめざす」と明かしています。

 

参照:保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向けた実証実験|日本航空/南紀白浜エアポート/セノン/日立製作所

https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2023/08/0802a.html