昨今、空港は深刻な人手不足に悩まされています。空港の地上業務を行うグランドスタッフの数は、国土交通省のデータ(※)によると、新型コロナウイルス拡大以前と比べて約1~2️割減少しています。空港は24時間体制で安全かつ万全なサービスを求められるため、スタッフの負担が大きいことも課題として指摘されています。一方で、海外旅行客によるインバウンド需要や国内旅行客数は高まっています。スタッフの業務負担を減らし、ツーリストを快適な空の旅へと誘う、空港での活躍が期待されるテクノロジーを紹介します。※参照:我が国の航空をとりまく現状|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/koku/content/001614477.pdf
空港の手荷物検査をAIでスマートに。空の旅をもっと安全に、楽しくするテクノロジー (※写真はイメージです/PIXTA)

個人の好みに合わせた旅プランを提案。多言語で旅先の魅力を案内するAIアバター

左/「アバター接客さくらさん」 右/さくらさんが活躍する案内カウンター 提供/ティファナ・ドットコム
左/「アバター接客さくらさん」 右/さくらさんが活躍する案内カウンター 提供/ティファナ・ドットコム

 

生成AIを搭載し、多言語を操るアバターさくらさんの活躍の場は多岐に渡ります。ある企業では店舗の販売スタッフ、ある企業ではオフィスの受付など……あらゆる場面でヘアスタイルやユニフォームを替えて活躍しています。

 

和歌山県の南紀白浜空港では、案内カウンターで個人の好みに合わせた旅プランをさくらさんが提案してくれます。これは本システムを開発・提供するティファナ・ドットコムと南紀白浜空港、一般社団法人南紀白浜観光協会が協力して2024年7月から行っている実証実験です。

 

地域の観光協会やガイドブックなどの情報をベースに、生成AIが膨大な情報を編集・要約。アバターのさくらさんが接客スタッフとして知られざる旅先の魅力を紹介します。情報をリアルタイムで更新しているため、常に最新かつ正確な観光・交通・宿泊施設情報を案内できるのが強みです。

 

同社は本システムに期待できることとして「インバウンド需要の喚起」や「人材不足の解消」、「オーバーツーリズムの緩和」。さらに、地域の観光資源や特産品の情報を戦略的かつタイムリーに発信できることから「地域経済の活性化」「持続可能な地域発展の実現」を挙げています。同社は2025年までに、全国の主要空港への展開を目指しています。

 

参照:アバター接客さくらさん|ティファナ・ドットコム

https://www.tifana.ai/products/personchat