空港の警備業務を、四足歩行のAIロボットが代替
日本アイ・ビー・エムとロボット販売を行う東北エンタープライズは、AI搭載ロボット「SpotⓇ」の実証実験(2024年1~2月)を愛知県・中部国際空港で行いました。
空港は24時間万全な警備体制を敷くことが必須であるにもかかわらず、警備員は天候・気温の影響を受ける厳しい労働環境にさらされます。中部国際空港では、警備の人材不足が深刻化。そんななか本実験は「警備業務の一部を、AIロボが代替することは可能かどうか」を調査するために実施されました。
実験が行われたのは、中部国際空港島の西側護岸、北側場周フェンス、駐車場連絡通路など。このエリアは「設備の破損・劣化や不審者」「護岸に接近する船舶」「鳥類」などの確認が不可欠です。
主役となるAI搭載ロボットSpotⓇは米国ボストン・ダイナミクス社製、東北エンタープライズの提供です。最大時速は5.75キロメートル。搭載されているカメラが周囲を撮影し3Dマップを作成することで、周囲の障害物を認識しながら自動走行することができます。路面状況をリアルタイムで把握し、柔軟に姿勢制御を行う機能や、階段の昇降機能などが備わっており、遠隔管制も可能です。
実験中のSpotⓇは、空港敷地内で不審者役のスタッフを見つけると「関係者以外は速やかに立ち退いてください」と警告したり、搭載される8個のカメラで360度防犯用の撮影をしたりと活躍。現在は本実験データをもとに検証を続けており、実用化が期待されます。
日本アイ・ビー・エムはSpotⓇへの期待として「警備業務の省人化のみならず、高度化、労務環境の改善」と語っています。
参照:「SpotⓇ」|東北エンタープライズ
https://spot-teco.jp/
空港や旅先の観光地で“即戦力”となるであろうAIテクノロジー
空港をもっと安全に、楽しい場所にするためにAIを活用したさまざまな試みが実施されています。空港のみならず、全国の観光地でもAIは頼もしい“即戦力”となっていくでしょう。今後どのような最新テクノロジーが実用化されていくのか、目が離せません。
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<プロフィール>
カワハタユウタロウ
フリーライター。大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、Eコマース・通販関連業界紙の編集部に約7年間所属。その後、新聞社系エンタメニュースサイトの編集部で記者として活動。2017年からフリーランスのライターとして、エンタメ、飲食、企業ブランディングなどの分野で活動中