日本語の「すみません」と同じ感覚で「Sorry」を多用したり、何かをお願いするときに「Please」を付けずに単語だけで伝えたり……。これらは海外に行った際、英語が得意でない日本人がやりがちなことですが、少し意識をして会話をするだけで相手とのやりとりがスムーズになるといいます。今回は、現役CAのRyucrew氏による『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部抜粋し、英語のコミュニケーションで意識しておきたいことをご紹介します。
日本語の「すみません」と同じ感覚で使いがちだが…海外で「Sorry(ソーリー)」を多用すると“損する”ワケ【海外在住CAが解説】
海外に「察する文化」はないので、きちんと言葉にして伝える
そのほかに、機内でもよくあるのが〝Please(プリーズ)〞をつけないケースです。頑張って英語で伝えようとするのですが、〝Coffee(コーヒー)〞とか〝Orange juice(オレンジジュース)〞とだけ伝えて、〝プリーズ〞をつけないことで、品がないように聞こえたり、上からものを言っているように聞こえたりしてしまいがちです。
言われたフライトアテンダントがピリッとしているように見えることも稀にあるので、基本的には〝プリーズ〟をつけておけば間違いない、くらいに思っておくとよいかもしれません。日本語でも一緒で、「オレンジジュースください」と言うのと「オレンジジュース」とだけ言うのでは、心証が異なりますよね。
北米では、その点をシビアにとらえている人も結構多く、ただ〝オレンジュース〞とだけ言われたら、フライトアテンダントが〝プリーズ?(プリーズは?)〞と言ったり、サービスを受けてお客様が〝サンキュー〞と言っていないのに、〝Your welcome(ユアウェルカム)〞とわざと言ったりすることがあります。
これ、ホンマにただの嫌味なんですけど、これまで何度かそういう状況を機内で目の当たりにしたことがあります(日本のエアラインだと考えられない状況ですよね)。ただ面白いのは、北米だと、そのように言われたお客様もそれに対して「おい、何言ってんだ!」と怒るのではなく、慌てて、〝Oh,sorry.Thank you〞と返す方もいらっしゃることです。
日本と違って、察したり、空気を読んだりする文化ではないので、きちんと言葉にしないと伝わりません。ですから、もし外資系の航空会社を利用される予定のある方で、外国人クルーと英語でコミュニケーションを取りたいなと思われる場合には、とても簡単な一言ですし、つけたら全然(伝わり方が)違いますので、あえて意識して使ってみられるのもおすすめです。
ただ私たちにとって英語は第二言語なので、やはりそこまで細かいことは気にせずに、とにかく笑顔で相手に伝えることが一番大切だなと強く思います。
Ryucrew
現役CA(キャビンアテンダント)