マッチングしない同世代のミドルシニア未婚の男女

日本総合研究所の調査によれば、将来の恋愛・結婚の願望がある人は、全体の3割弱であることが明らかになっています。ただし、結婚相手との年齢差の許容範囲をみると、男性においては、「7~9歳年下」(37.2%)が最も多く、「4~6歳年下」(34.0%)、「10歳~15歳年下」(30.9%)と続いています。

一方で、女性においては、「4~6歳年上」(37.0%)、「1~3歳年上」(37.0%)、「自分と同じ年齢」(37.0%)が最も多くなっています。女性は年齢が近い男性を求めているものの、男性は年齢が若く、年齢差が大きい女性を求めているため、ミドルシニア同士のマッチングはデータ上では容易ではないことが想像できます。

出所:
[図表3]男女別 結婚相手との年齢差の許容範囲 出所:株式会社日本総合研究所

また、結婚を望む理由としては、「精神的に安定した生活が送りたい」(47.3%)が最も多く、「パートナーと楽しく生活が過ごしたい」(44.6%)、「未婚でいるのは寂しい」(39.2%)と続いています。

男女別に比べると、男性では、「未婚でいるのは寂しい」(44.7%)が、女性では「精神的に安定した生活が送りたい」(61.1%)が最も多く、男性は寂しさを埋めること、女性は精神的な安定を求めていることがわかります。

出所:
[図表4]男女、年代、居住地種別 結婚したい理由 出所:株式会社日本総合研究所

ミドルシニア未婚者の約半数が自治体による結婚支援を希望

さらに、結婚やパートナー探しを支援する施策をミドルシニアに対して、自治体が取り組むべきか尋ねたところ、2人に1人が取り組むべきであると回答していることが明らかになっています。その理由のなかでは、「孤独死の防止につながる」(45.0%)が約半数近くとなっており、孤独・孤立の防止という視点から結婚・パートナー探す支援を求める声は少なくありません。

出所:株式会社日本総合研究所
[図表5]自治体の中高年結婚支援 1 出所:株式会社日本総合研究所
出所:株式会社日本総合研究所
[図表6]自治体の中高年結婚支援 2 出所:株式会社日本総合研究所

現在、少子化対策という前提で、結婚支援事業を若者に対して実施する自治体は増えてきています。しかし、平均寿命が延びている状況を踏まえれば、将来の孤独・孤立防止対策という視点からも、結婚支援事業の対象をミドルシニアまで広げていくことは必要ではないでしょうか。

参考

日本総研「ミドルシニア未婚者のキャリアに関するアンケート調査結果」

https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=108505

小島 明子
日本総合研究所創発戦略センター
スペシャリスト