自営業者にとって大切なのは「年金受取の開始時期」

以上のように、国民年金保険料と付加保険料を納めることで、無理のない範囲で年金を増やす機会はまだまだあります。

さらに、受け取りの開始時期もポイントです。65歳から年金を受け取ることができますが、繰下げ受給を選択することが可能です。受給の開始を遅らせることによって年金を増額(1ヵ月繰下げにつき0.7%増額)させることができ、繰下げは最大75歳まで行えます。

腱鞘炎の状態も気になるところですので、今後の仕事の状況を見ながら、年金の受給開始時期を選ぶとよいでしょう。

なお、現時点では法人化は考えていないとのことですが、法人化してその代表者となって役員報酬を受け取ると、厚生年金に加入できます。

この場合、国民年金保険料と付加保険料の納付はなくなり、代わりに厚生年金保険料を負担することになります。これにより、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建てで年金を増やすこともできます。さらに、最大70歳になるまで厚生年金への加入が可能です。現在は国民年金のままですが、将来的に厚生年金を検討する価値は出てくるかもしれません。

五十嵐 義典
CFP
株式会社よこはまライフプランニング 代表取締役