ソファやダイニング、ピアノといった「大きな家具」は、どうしても部屋に圧迫感を与えてしまいます。そこで、たとえピアノを置いても生活を妨げず、快適な暮らしを実現するためのレイアウトの秘けつについて、一級建築士/模様替えアドバイザーのしかまのりこ氏の著書『狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール』(彩図社)よりみていきましょう
ピアノが邪魔で動きづらい…大きな家具がある部屋の「狭さ」と「圧迫感」を解消するレイアウトの秘けつ【一級建築士が解説】
圧迫感を軽減するピアノの配置
そのほかにも、ピアノの横に近接してテレビがレイアウトされているため、ソファ前は広いのですが、テレビが角度的に見にくいなどの問題もありました。
そこで、ピアノや家具のレイアウトを変えて、圧迫感が少なく、また使いやすい家具レイアウトに模様替えしてみました。
[図表4]は模様替え前の、[図表5]は模様替え後の、間取りの様子です。
壁に一列に並んでいたピアノ、収納、テレビボードは、圧迫感を少なくするため、それぞれ離して別の壁にレイアウトしました。
そして1番大きいピアノは、バルコニーへの動線上にレイアウトしました。
動線上には、基本的に、その妨げとなる家具は、置くべきではありません。
しかし、動線の幅が十分確保され、スムーズな動きが妨げられない場合は、[図表5]のように、動線上に家具を置くことも可能です。
テレビボードは、アンテナジャックのある壁に、角度を変えてレイアウトしました。
ソファは、そのテレビに対し正面にレイアウトし、見やすい距離に置きました。
リビングテーブルは、大きくて使いやすいというメリットはありますが、部屋に対して、少し大きすぎたため、マガジンラック付きのサイドテーブルに買い替えました。
収納は、動線を確保できるように、家具同士のスペースを空けてレイアウトしました。
このことにより、不便だった収納も、出し入れが楽になり、使いやすい収納になりました。
ピアノや収納など、家具を集中させないことで、圧迫感がなくなり、また、狭かった収納への動線もスムーズになりました。([図表6]、[図表7])
ピアノをリビングにレイアウトする場合は、圧迫感を少なくするように、家具を分散してレイアウトすることが大切です。
しかま のりこ
COLLINO一級建築士事務所
一級建築士/模様替えアドバイザー