高度成長期に確立した夏の定番レジャー「海水浴」

10年に一度レベルの高温が続くと、気象庁からも注意喚起されている今年の夏。暑いと行きたくなるのが、海水浴です(暑すぎて、外出を控える動きもあるというニュースも耳にしますが……)。

海水浴の歴史を紐解いていくと、古くから健康や療養のために海水に入る風習はあり、平安時代から江戸時代にかけての和歌で詠まれたことも。愛知県常滑市の「大野海水浴場」は、鴨長明が訪れたという伝承があり、「世界最古の海水浴場」とされることがあるとか。

明治時代に入ると、欧米から海水浴の文化が伝わります。1885年に神奈川県中郡大磯町に開設された「大磯海水浴場」は、陸軍軍医総監・松本良順の勧めでつくられたもので、「海水浴場発祥の地」の石碑が立っています。ただこのころの海水浴は、牛の引く御所車のような乗り物に乗り、牛に後ろ向きに海の中に入って後ろのドアを両開きに開き、他から自分たちが見えないように海に浸かるというもの。医療的な側面が強く、その後も、男女混浴で海に入ることを禁じるなど、いまのような楽しい海水浴とは程遠いものだったようです。

レジャーとしての海水浴が広まったのは戦後。高度成長期の1960年代前半には、庶民の夏の娯楽として広まりました。特に60代の人がこぞって訪れブームになったのが「初島」。静岡県熱海市にある離島で、高度成長期頃から東京から日帰りで行ける島として人気に。特に1980年代、夏になると若者が大挙し、島にはディスコや多くの飲食店が並んでいたとか。

2000年代以降は、レジャーの多様化などにより、日本において海水浴は低迷傾向。とはいえば「夏といえば海!」というのは定番で、夏の旅行として候補のひとつにあがるのではないでしょうか。

そんな海水浴。いま人気の「海水浴場」はどこなのでしょうか? インターネットの検索数から紐解いていきます。