本格的な湯治場が軒を連ねる「栃木」「群馬」の温泉地。一度訪れたことのある人も知らない秘湯が、まだまだ隠れています。温泉博士であり弁護士である小林裕彦氏の著書『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より、この2つの地域の温泉について紹介します。
加水なし!〈飲泉〉も格別! 魅力あふれる「源泉かけ流し」
3.草津温泉 月洲(げっしゅう)屋【群馬県】
本物の湯治場です。草津には何ヵ所か、こういう感じの旅館があります。共同湯「地蔵の湯」の向かいにあります。
看板の「勉強の旅館」というキャッチフレーズが泣かせます。昔、「勉強しまっせ」というコマーシャルがあったのを思い出します。
ご主人にお聞きしたところ、関西の出身ではないそうです。しっかり宿泊代を「勉強している」そうです。感じの良いご主人です。
泉質は草津温泉の正統派、含硫黄-アルミニウムー硫酸塩・塩化物泉です。
浸かると、特に源泉が濃い感じがします。湯の花も堆積していて、かき混ぜると真っ白になります。
滞在する方の多くは、長期のようです。
4.湯宿温泉 湯本館蒲田温泉【群馬県】
ナトリウム・カルシウムー硫酸塩泉です。旅館の敷地内に源泉を持っています。自然湧出の62度の源泉をかけ流しています。
趣のある浴槽です。浸かると、これが実に熱い。我慢していると、気持ちよくなってきます。源泉の注入口は温度を冷ますために、浴槽の縁に流しています。一滴も加水しない、素晴らしい湯使いです。
飲泉もできます。薄塩味のカルシウム風味でうまい。
湯宿温泉には4ヵ所の共同湯の他、何軒か旅館もあります。ただ、熱い源泉に加水しているところとここは、泉質がまったく異なります。源泉かけ流しといっても、実はピンキリです。
小林裕彦
小林裕彦法律事務所
代表弁護士