いよいよ夏休みシーズン到来。仕事で忙しく、今から旅行の予定を立てようとしている方もいるのではないでしょうか? 飛行機で座席の大半を占めるのはエコノミークラスですが、数が多い分どこを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。とくに海外の長いフライトでは、座った席の良し悪しが旅の思い出を左右することも。そこで今回は、『国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集し、バンクーバー在住・現役CAのRyucrew氏が語る、座席の選び方のポイントについてご紹介します。
【夏休み旅行の飛行機】エコノミーでも快適に過ごしたい!現役CAが教える「おすすめの席」「避けたほうがいい席」
現役CAが好んで座るおすすめの席は?
そして機内食ハンターのお客様は、機体前方がおすすめです。機内食は前方から順に提供されるため、前方のほうが品切れになって選択肢が狭まることがないからです。
食べ物の恨みは怖いですからね。「絶対これを食べるで。なかったら許さへんからな」という方は、前方に座りましょう。「なんでお肉がないねん!」ということもなく、お客様にとっても、サービスするフライトアテンダントにとってもハッピーです。
なお、私が個人的に好んで座るおすすめの席は、「①ギャレーや化粧室から離れた、②機体後方の、③バルクヘッドではない、④中央列通路側座席」です[図表1]。
はい、「なんのこっちゃ」ですね。①ギャレーや化粧室から離れたほうがよいのは、先にもお話しした通り、騒々しいのを回避するためです。②については、エコノミークラスは機体中央と後方、2つのセクションに分かれていることが多いのですが、前方の席から埋まっていくことが多いからです。便にもよりますが、比較的空席が多い後方は狙い目です。
③のバルクヘッド席は足元のスペースが広く快適ではありますが、離着陸時に手荷物をすべて頭上の収納棚(オーバーヘッドビン)に入れなければならない点や、アームレストが固定のため隣の席が空いていてもスペースをゆったり使うのが難しい点、そしてせっかくの足元の広々スペースが他のお客様のストレッチエリアや化粧室の待合所と化す点などから、私としては避けたい席です。
そして④は、中央列のさらに真ん中席は人気が低く、最後の最後に埋まっていくので、満席でない限り中央列の真ん中席、つまり隣の席が空いている可能性があるからです。
*ギャレー
乗客に提供する食事やドリンクを用意するため、機内に設置された厨房設備のスペース。
*バルクヘッド
前方が座席ではなく壁になっている席。足元が広い分、座席指定料がかかることも少なくない。
*アームレスト
座席の両側にある腕掛け部分で、乗客が座席に快適に座るための支えとして機能する。
*バシネット
乳幼児用のベッドのことで、長距離フライト中に乳幼児が安全に眠れるよう、座席の前部に取り付けられる。
Ryucrew
現役CA(キャビンアテンダント)