まだまだ人気の衰えないタワーマンション。しかし、実際に住んだ人のなかには、やっぱり転居しようという人も少なくないようで……。一体どのような理由があるのでしょうか? 本記事では、Aさん夫婦の事例とともに、高齢期を見据えた住まいの考え方について社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
1億円超の白金タワマンに住まう「世帯年収2,000万円の50代共働きパワーカップル」…家賃20万円の格落ち・埼玉低層マンションへ転居を決めたワケ
家賃20万円の低層マンションへ
不動産会社からの説明では、タワマンをいま売却するとタワマン売却で得た利益、ローン返済で浮いた分があるとのこと。いままでの貯蓄と合わせ余裕資金ができると、AさんBさん夫婦はこれなら老後を豊かに暮らせると気づきます。2人は提案を受けた埼玉にある家賃20万円の低層マンションへ転居を決めました。
パワーカップルなので、退職金も2人あわせて4,000万円。高齢期で働けなくなったときの備えは貯蓄と退職金、そしてタワマン売却益で老後は安泰のようです。日々の生活は2人合わせた年金額は約45万円。年金のみでゆとりある生活を送るにも十分な金額です。
賃貸に決めたワケ
今回のタワマンからの住み替え経験から、年齢を重ねると先々で転居の必要性がでてくるかもしれないと感じたAさんとBさん。また新たに家を買ったとしても、10数年後には老人ホームなどの高齢者施設へ2人で入るときがくるかもしれません。さらに、子どもがいないことから、後々の相続などの問題を危惧し、賃貸に住む決断をしました。
Aさん夫婦にとって子どものころの思い出は辛く寂しいことが多かったかもしれません。だからこそ、パワーカップルとして目標ができ、夢を叶えることができました。定年退職を機に、ゆったりとした生活にシフトし、長生きリスクに備えるとともに豊かな老後を過ごすための転居を検討することも一案でしょう。
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表