総務省「住宅・土地統計調査」によると、人口の約4割は「賃貸」に住んでいるそうです。そのため、不動産貸借に関する相談件数は年間およそ37,000件と、不動産トラブルが後を絶たない日本(消費者庁「2022年の消費生活相談の概況」)。では、具体的にどのようなトラブルが発生しているのでしょうか。弁護士の北村亮典氏が実際の判例をもとに解説します。
マンションの1室から漂う“異臭”→ドアを開けて目にした「衝撃の光景」にオーナー絶句…家賃10万円の賃貸物件で起きた悲劇【弁護士による判例解説】
令和3年10月に国土交通省が策定した「ガイドライン」
なお、令和3年10月8日に国土交通省により策定された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、
老衰、病死などの自然死は、原則として告知する必要はないとされている一方で、発見が遅れたことにより遺体の腐乱が進んで腐敗臭や害虫が発生するなどして特殊清掃が必要になった場合には、事故物件として、原則として3年間の告知義務を負うとされています。
したがって、このようなケースでの告知義務がガイドラインで明示されたことにより、賃貸人に将来の減収が生じる可能性はより高くなったといえますので、
したがって、今後の裁判事例では、賃借人の善管注意義務違反の判断に影響が生じる可能性(より義務違反を認め得る方向になる可能性)もあると思われます。
※この記事は、2024年7月6日時点の情報に基づいて書かれています。
北村 亮典
大江・田中・大宅法律事務所
弁護士