毎年、誕生月には届く「ねんきん定期便」。将来の年金受給額を知ることができるため、老後のライフプランを考える際に役立つものです。しかし、そこに記載されている「年金受給額」にあまりに頼りすぎると、思わぬ事態に陥るケースもあるようです。詳しくみていきましょう。
順風満帆の老後のはずが…月収65万円・59歳の勝ち組サラリーマン、〈まさかの年金減額〉に悲鳴「なにかの間違いでは」
内容をしっかり確認しておきたい「ねんきん定期便」
毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」。その中身は、自身の年金記録が記載してある非常に重要なものではありますが、ハガキで届くこともあるため、うっかり捨ててしまったり、はたまた家のなかで紛失してしまったりと、中身をきちんと見たことがない人も多いかもしれません。
「ねんきん定期便」の記載内容は、年齢によって異なり、59歳であれば「①これまでの保険料納付額」「②これまでの年金加入期間」「③老齢年金の種類と見込額」「④年金加入履歴」「⑤月別状況(全期間)」が記載されています。ちなみに、ここに記載されている年金額は、これまでの加入実績に応じた年金額であり、今後の加入状況に応じた年金額は記されていません。そのため、60歳定年の場合、残り1年分を加算した金額が、実際に受給できる「年金額」となります。
つまり、59歳時点では、ほぼ年金の見込み額が分かっている状況といえます。さらに、59歳のタイミングで届く「ねんきん定期便」は、通常のハガキではなく、封書で届きます。年金加入期間中のすべての履歴が記されているため、もし、内容に漏れや誤りがある場合は、対応してもらえます。
過去には年金が消失した例も…
記載ミスなんてそうそうない、と思われがちですが、そもそも「ねんきん定期便」は、2007年に大きな問題となった“消えた年金記録”の問題により誕生したものです。本来、あってはならない間違いが実際に起こったわけなので、「ねんきん定期便の記載内容に誤りはない」とも言い切れないわけです。不明な箇所を見つけたら、すぐに日本年金機構に連絡したほうが無難といえます。