川にせり出す露天風呂、立ち湯…個性豊かな秘湯がズラリ

4.湯の児温泉 松原荘

出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋
[画像4]濃さを感じる自家源泉 出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同フォレスト)より抜粋

温泉地の一番奥にあります。松原荘の自家源泉は、同じ温泉地の他の旅館よりも少し濃い感じがします。ナトリウム-塩化物泉です。少し緑がかっていて、硫黄臭がします。浸かると、塩化物泉らしく肌がしっとりします。少しとろみのある源泉が、ガスと一緒にボコボコと注入されています。

熱くもぬるくもない適温です。べたつき感は少ないです。源泉かけ流しの多い湯の児温泉の中でも、泉質の良い自家源泉です。温泉地で自家源泉を持っている旅館には、品質の良い源泉をかけ流しているところがあります。それを見つけるのも温泉巡りの楽しみの一つです。

5.湯の鶴温泉 湯宿 鶴水荘

出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋
[画像5]川にせり出した川ん湯 出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋

アルカリ性単純泉です。少し硫黄臭がします。しっとりして、じわーっとくる感じの泉質です。循環風呂では、決して味わえない感触です。

水俣市の山あいの、のどかな郷愁漂う温泉地です。どこか懐かしい感じがして、本当に癒やされます。温泉だけでなく、土地の雰囲気も楽しめます。旅館が数軒と共同湯が1軒あり、いずれも源泉かけ流しです。

「川ん湯」と名付けられた露天風呂が素晴らしい。写真では少し分かりにくいですが、実際はもっと川にせり出しています。川に落ちそうな感じです。

こぢんまりとした旅館ですが、浴槽は多いです。

6.黒川温泉 旅館こうの湯

出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋
[画像6]日本一深いと思われる立ち湯 出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋

黒川温泉にある、ふもと旅館と同じ系列で、宿泊客は両方の温泉を利用できます。

ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉です。少し緑色がかった感じのマイルドな泉質です。

ここの売りは、なんといっても写真の「立ち湯」です。日本一深いです。深さが162センチメートルもあり、背の低い人は完全に溺れます(^^)。浴槽にかけている木につかまって入る人もいます。体が浮いて、実に気持ち良い。

こういった個性のある浴槽を、おかしな規制でなくしてもらいたくないです。温泉に関する「規制緩和」が必要です。温泉は泉質の個性が重要ですが、浴槽の多様性や個性もそれに劣らず重要です。

7.天草下田温泉 望洋閣

出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋
[画像7]ステンドグラスがきれいな浴室 出所:『温泉博士×弁護士が厳選、とっておきの源泉かけ流し325湯』(合同出版)より抜粋

ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉です。浸かると、つるつる感のあるやわらかい泉質です。火山性の温泉ではなく、太古の時代に川の水が天草陶石層に浸透して温められたそうです。

浴室のステンドグラスがきれいです。

天草下田温泉は何軒か旅館、ホテルがありますが、ここ以外にも源泉かけ流しがあります。

この宿は夕日を売りにしているので、夕日が沈む時間になると館内放送があり、宿泊客は夕日の見えるスポットに集まります。東シナ海に沈む夕日は、息をのむくらい荘厳です。思わずビートルズの“A Day in the Life”を口ずさんでしまいました。

小林 裕彦
小林裕彦法律事務所
代表弁護士