お墓は維持管理の心配がないことが第一

火葬のあとは、遺骨を供養してもらうことになります。多くの人は埋葬を選びますが、散骨という方法も。どんな方法で供養してもらうか、あらかじめ考えておきましょう。
遺骨の供養の仕方は、大きくは「埋葬する」か「埋葬しない」かに分けられます。埋葬するなら「墓に入る」か「墓に入らない」かのどちらか。「墓に入る」場合は、先祖代々の墓か永代供養墓に入ることになります
が、おひとりさまが墓を考えるときのポイントは「維持管理の心配がない」こと。

先祖代々の墓は、代々継承される慣習がありますが、継承する人がいなくなれば「無縁墓」となって、他の無縁仏と合祀されます。
ですから、もし先祖代々の墓があっても、自分の死後、継承する人がいなければ、自分の代で墓じまいを考えてみてもよいでしょう。

墓じまいとは、墓石から遺骨を取り出して、墓地や霊園の管理者に区画を戻す事。墓じまい後は、永代供養墓に移す、他の墓に移す「改葬」、散骨する、手元に残すといった方法で、引き続き管理や供養を行います。
永代供養墓とは、ひとつの墓石を墓標として、その下に不特定多数の遺骨を納める大型の合祀墓。供養や管理は、寺院や霊園が行います。自分の死後、永代供養墓に入る場合は、死後事務委任契約で、あらかじめその旨を委任しておきましょう。

また他の墓に移す「改葬」は、いわゆるお墓のお引っ越し。厚生労働省の報告によると、2000年前半は6~7万件だったのが、2017年度は10万件超え、2020年は11万7772件と増加傾向にあります。おひとりさまが移転先のお墓に入るつもりなら、生前に改葬しておく必要があります。