数々の書籍で語られている、株式投資の戦略3選

莫大なFIRE資金を蓄財するためには、どうしても運用の力が必要です。私は貯金を始めた2003年からさまざまな株本を読んで勉強していました。当時はネットの情報が多くなかったため、本屋に行ってはよさそうなものを探して読む……という感じでした。しかしその内容は玉石混交なんですね。

投資関係の本は、素人目にもいい加減な本があります。こういう本から入ってしまうと、株式投資の助けになるどころか刷り込みを受けて害悪にすらなり得るんですね。

読んできた数多の本にあった株式投資への態度は、大きく次の3つにわけられると考えています.

・テクニカル分析

・ファンダメンタルズ

・効率的市場仮説

いきなり否定的なことを言うようですが、私はテクニカル分析に傾倒するのはいかがなものかと思っております。

テクニカル分析とは、チャートの上げ下げの波、その形などに注目して将来の株価を予測するものです。私からすると、根拠が薄いと感じるんですね。「チャート分析だけで資産が10倍に!」とうたっているのは、むしろ情報商材販売に近い性質があるのではないかと。正直眉唾なんですね。

実際、こういったテクニカル分析に傾倒した知人が何人かいるのですが、みな失敗してしまいました。彼らの特色として「異常な自信家」であることが挙げられます。「ナントカバンドがこうなったから、絶対上がるねん!」「シグマがなんとかで抵抗線がこうだから、絶対売りやねん!」などなど、なぜか「絶対」という言葉をよく使っておりました。何かの本やサイトに書いていたことを盲信してしまったのでしょう。まあ、「絶対」仕事辞めるマンが言うのも何ですが。

彼らは、予測が当たった時は狂喜乱舞します。これはいいのですが、問題は外れたとき。落胆しつつも「あのシグナルはダマシだった」「予想外の売りが来た」などと説明する傾向にあります。絶対当たるはずの予測モデルが外れたなら、本来はモデル自体を修正するべきです。なのに、なぜか株価や市場のほうを否定するのです。チャートにおける完全な事実は株価そのものしかないにもかかわらず。

そして、ある時期を境にピタリと連絡がなくなります。負けが続いちゃったんですね……。別件で会った時に「最近、株はどうですか?」と聞くと大変微妙な表情になり、あまり触れてほしくなさそうなご様子。投資手法を見直すというよりは、投資自体を辞めてしまっておりました。

彼らを見ているとボタンの掛け違いの原因は複数あるように思われました。

1つは元本が小さかったこと。数十万~数百万程度を運用していたのですが、元本に比して「株だけで1,000万まで増やしたい!」などと野望が大き過ぎるんですね。こうなると、手っ取り早く資産が増えそうな短期テクニカル手法が、魅力的に見えてしまうものなのでしょう。お気持ちはよくわかります。焦った彼らは高めのレバレッジをかけ、値動きが荒めの銘柄に特攻してしまいます……。ギャンブラー体質。

2つには頑固過ぎたこと。先に述べたように、自分の考えをなかなか修正してくれないんですね。「そんな株の打ち方は危ないぞ」「もっと安定した分散を……」と言っても聞く耳をもちません。「でも、でも!」「だって、だって!」と自己正当化に走ってしまいます。

株価の未来予測なんてフワフワしてランダム性の強い世界、常に自分の手法を疑いまくってちょうどいいくらいだと思います。

そして3つ目は、彼らが最初に謎の悪書に出合ってしまったことです。これは、なぜなのでしょうか? 誰しもが最初は投資に無知なので、別の本やサイトから始めてもよかったはずなんです。別の誰かにその本をすすめられたのだとしても、その「誰か」を自ら選んだ理由はなんだったのでしょう? その答えは……運です!人間は親を選べないのと同様に、完全無知の状態から最初に出くわす投資手法を選べません。つまり、ツイてなかったのです……。

そこで、読者さんがもし投資を始めるときに誤った方向へ導かれないよう、「この辺りをベースに始めたらよいのではないか」という2冊を書いておこうと思いました。