増えない給与、減っていく年金、延び続ける寿命……こうしたなか、老後に不安を抱いている人も多いでしょう。そこで、『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)著者でFPの坂本綾子氏が、老後不安を解消するために役立つ「50歳以降のマネープラン」の重要性と、マネープランを考えるうえで把握しておきたい具体的な項目について解説します。
あなたは持ち家?賃貸?…持ち家なら「評価額」の確認を
持ち家やアパートなどの不動産を持っている人は評価額を確認してください。不動産は時価より低めに見積もっておきましょう。思っていたような値段で売れないこともあるためです。
見積もりは「固定資産税評価額」を目安にするといいでしょう。自治体から送付される固定資産税の課税明細書に明記されており、自治体によっては「価格」や「評価額」となっている場合もあります。
土地と建物に分かれており、土地は時価の7割程度、建物は年数が古くなるほど安くなります。住宅ローンが残っているなら、その残高も確認しておきます。
資産残高
あなたは今、どれくらいの資産を持っていますか? 具体的に計算したことはあるでしょうか? もし総額でどれくらいの資産を持っているか計算したことがなければ、以下の記載例を参考にして書き出してみてください。
資産を書き出すときのポイントは「金融資産」「不動産」に分けて書き出すことです。
金融資産のスペースには銀行預金のほか、貯蓄性のある保険の満期金や解約返戻金(保険証書や設計書に記載)、投資している人は株式や投資信託の元本と評価額、非課税口座NISAを使っている人は元本と評価額を書き込みます。
不動産のスペースには土地と建物の評価額を書き込みましょう。プラスの資産だけでなく、住宅ローンのようなマイナスの資産も書き込みましょう。右の「負債」スペースです。
資産から負債を引けば、純資産(正味資産)が出ます。1年に1回は計算して表にしておけば、年ごとの資産の推移を確認するのに役立ちます。
坂本 綾子
ファイナンシャルプランナー