定年後もどこかで働きたいけれど、プライドは失いたくない。自分や家族との時間は確保したいけれど、収入もある程度欲しい。そんな贅沢を叶えられるのが「社外顧問(=定年顧問)」という仕事です。本記事では『楽しさと生きがいを手に入れる 定年顧問』(自由国民社)から、著者の岩﨑 和郎氏が、社外顧問として働く魅力についてご紹介します。
多くの人に知って欲しい、社外顧問の1週間スケジュール
社外顧問を開始した当初は、欲張らずに1社勤務にしておくことをおすすめします。半年ほど経過すれば、ペースもつかむことができますので、もう1社増やしてもいいかもしれません。
週1日勤務が一般的ですが、「週2回」や「月2回」など企業によって希望日数が異なりますので、あなたの生活リズムに合わせて2社目の顧問先を選ぶといいでしょう。
顧問契約の期間は、半年か1年がほとんどで、状況によって自動更新となります。契約先でのプロジェクトの進捗状況や達成度などを考慮しながら、こちらから頻度や契約期間に関しても提案することも可能です。
私の現在の典型的な一週間のあり方をご紹介します。毎週月曜日は午後1時間半の顧問業で出勤します。火曜か水曜は図書館に行って、翌週のための下調べをすることが多いです。あとはだいたい自宅にいます。
プールに行って泳いだり、本を読んだり、あるいは映画を見に行ったり、というように丸一日ヒマ、ということはあまりありません。あとは、買い物で妻に付き合わされる、ということもしばしばあります。
一週間のうち、土曜と日曜は孫の子守です。娘家族と同居しているのですが、孫は3歳の男の子です。要するに、土日はおじいさん、おばあさんとして過ごすわけです。顧問の仕事のもう1つの利点は、ここにあります。月曜から金曜まで働いて、土日に孫の面倒を見るというのは、現実的には無理だと思うからです。
「ワシ族」という言葉があります。定年後に働かず暇を持て余して、奥さんが買い物に行くというと「ワシも行く」とくっついていく人のことを称するものです。顧問のおかげで私はそういう悲しい老後にはなっていません。このような働き方をすることを家内も喜んでいるようですし、何より私自身がプライドを保てています。
なんらかのノウハウを持っている人は、他の人に教えた方がいい、と私は思います。企業に限らず、いろいろなところでベテランが少なくなってきている今、たとえ週1回であっても時間を使って教えてあげれば、解決する問題も世の中に山のようにあるのではないでしょうか。
その意味で、私は顧問という働き方を多くの方に知ってほしいと思います。
岩﨑 和郎
アドバイザー・技術顧問
※本記事は『楽しさと生きがいを手に入れる 定年顧問』(自由国民社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。