定年後の働き方の選択肢は限られています。企業の取締役など「組織で位を極めた人」であれば、取引先企業に厚遇で迎え入れられたり、業界団体の公職に就くなど、引く手数多(あまた)かもしれません。ただ、そういう人はごく少数です。では、普通の人には長年働いてきたプライドを保てるような働き方はないのでしょうか。「社外顧問=定年顧問)」は、その1つ。本記事では『楽しさと生きがいを手に入れる 定年顧問』(自由国民社)から、著者の岩﨑 和郎氏が、その知られざる世界をご紹介します。
定年後の働き方には「第6の選択肢」がある
定年後多くの方が選択される「再雇用」の実態に関しては、最近大手新聞の投書欄に次のような投書がありました。
「地方公務員の方で、再任用職員の初めてのボーナスが1か月分だったそうです。毎月の給料は7割になったとのこと。年齢を1つ重ねただけで、働いた分の正当な対価が与えられなくなるのは問題とのことでした。」
地方公務員でさえこの現状か、と思いました。民間会社は毎月の給料は、よくて5割、ボーナスをもらえる人は、ほとんどいません。「再雇用」を選んだおよそ8割が給与に不満を抱いていることが最近の統計で明らかになりました。最も一般的で、選択する人が多かった再雇用も、なかなかシビアであることがおわかりいただけたでしょうか。
前に挙げた5つの選択肢のうち、「②転職する」も定年後にはなかなか難しそうであることは、多言を要さないでしょう。よほど高いスキルを持っている、というようなことがない限り、転職先は多くはないでしょうし、待遇もそれほど期待できないと思います。
「パートやアルバイトとして働く」「人材派遣会社に登録する」の2つは、収入面で多くを望むことはできません。「起業」して成功することがたやすいことではないことも、説明するまでもないでしょう。
しかし、ここに第6の選択肢があります。それが「社外顧問」です。