「投資は買うよりも売る方が難しい」という投資の格言があるとおり、投資初心者にとって鬼門となるのが「出口戦略」です。そこで、『ファイナンシャルプランナーが手取り足取り教える新NISA』著者でCFPの小山信康氏が、個人投資家が新NISAをはじめとした資産運用で、損をしないために知っておきたい「投資信託の売り方」について解説します。
「新NISA」で損をしないため…知っておきたい〈投資信託の売り方〉のポイント【CFPが解説】
投資信託の「売り時」とは?…“塩漬け”を避ける2つの対策
1.自主的なルールや目的を決めておく
それを避けるためには、購入する段階で、「〇円まで値上がったら解約(売却)する。×円まで値下がったときも解約(売却)する」「毎年5%ずつ値上がりする予定。それを大幅に上回る(下回る)場合は解約(売却)を検討する」などといった、自主的なルールを定めておくと良いでしょう。
また、投資する段階で、「〇〇に使うための資金」と決めておくのも有効です。
たとえば、子どもの教育資金用と決めておけば、大学入学時といった形で、投資のゴール地点が定まる点で有効です。ただし、子どもが小さいときであれば長期投資も可能ですが、中学生や高校生になると時間的な余裕がなくなってくるので、投資のゴールは大学入学より何年か手前に設定した方がベターでしょう。
2.売る時も「継続」を利用する
結果的に、高値で一気に売却できれば大儲けを実現できるでしょう。ただ、それが本当に高値なのかどうかは別の話です。そもそも難しい売り時を、一時点に決めるのはより難解であると言えます。
そこで、継続投資を思い出してみてください。コツコツと積み立てて買うことが賢いという投資法です。
実は、これと似たような形で売るのも賢い方法です。ただし、まったく同じではいけません。コツコツ買う場合は、「同じ金額ずつ」で続けることにポイントがありますが、売る場合は「同じ数量ずつ」(A) がポイントになります。
その方が、「同じ金額ずつ」(B) よりトータルで高く売ることができるでしょう。
小山 信康
CFP®
1級企業年金総合プランナー