【大化け株の見つけ方①】自分の強みを整理しておく

スポーツであれ、ビジネスであれ、およそ勝敗のつくジャンルでは、まず自らの強みを認識して、それを伸ばすのが勝つための鉄則と言えよう。株式投資も例外ではない。ところが、多くの個人投資家はそのステップを踏もうとしない。自分の強みを顧みることなく、ネットで話題になっている株を買ってしまう。これでは勝つことは望めない。

では、株式投資におけるあなたの強みは何だろうか? この点を一度、整理しておくとよいだろう。あまり難しく考える必要はない。あなたの強みの大半は、あなたの人生そのものであるからだ。

何千社もある上場企業のすべてを知り尽くす投資家などいない。自分の得意ジャンルを設定して、そこを深く追究すればよい。仕事や趣味のジャンルならあなたには理解しやすく、他人には理解しにくい。深く数字を追求するにも、将来を予想するにも、あなたならではの個性が生きるし、第一に楽しい。

【大化け株の見つけ方②】身の回りで起きている変化を察知する

まず改めて強調したいのは、株式投資の対象や情報は、自分とは縁遠いところに存在するものではないことだ。むしろ、あまりに身近過ぎて株式投資につながるとは思えないものにこそ、あなたが最も有利な位置に立ち、最もリターンを期待できる投資の対象や情報が潜んでいる。

そのため、身の回りで起きている変化を敏感に察知できるようにアンテナを高めておくことが求められる。米国の伝説的ファンドマネジャー、ピーター・リンチは、変に難しい株を買うのではなく、「身近な銘柄こそが狙い目」と主張する。

人々が行動を変えた時には、周辺に大化け株の候補が必ず潜んでいる。例えば、アップルのiPhoneを買ったついでに、アップル株も買っておけば、あなたは財産をかなり増やすことができただろう。ガラケーからスマホへのシフトは、世界中の人々が体験した身近な変化である。

しかし、この身近な変化を株式投資に結び付けることができた人はごくごく一部に限られる。あなたが目指すべきは、こうしたごくごく一部の人の中に加わる能力を身に付けることだ。身近な変化に気付き、それを投資につなげようとする思考回路を作る努力が、その第一歩になる。

なお、身近な変化を投資につなげられる頻度はせいぜい1年に2~3度だろう。「今日は張り切って身近な変化をいっぱい見つけるぞ」と意気込んでも、そうそう見つかるものではない。

日常の中で感心することや驚くことがあった時、あるいは家族、友人が興奮気味に何かを教えてくれた時などに突然、投資のチャンスは訪れる。それを確実につかむための「気付く力」を磨くのである。