一般的に、ワンちゃんの1年は人間の7年に相当すると言われています。愛するワンちゃんが年をとってきたら、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。現役獣医師で『愛犬と20年いっしょに暮らせる本 いまから間に合うおうちケア』著者の星野浩子氏が解説します。
愛犬の食が細ってきたらどうすれば良い?
高齢のワンちゃんの飼い主さんから、「若いころは、ごはんを出したらすぐにパクパク食べたのに、最近はなかなか食べないんです……」というご相談を受けることがあります。そんなときは、次のようなことをチェックしてみてください。
ごはんをあげすぎている
ごはんを残すようなら、まずあげすぎでないかを確認しましょう。高齢になると、必要なカロリー量は減ってきます。体型、便の状態、活動量の変化などの様子を見ながら加減してください。一度にたくさん食べられないなら、回数を分けてもいいでしょう。
嗅覚が鈍くなっている
ごはんを出してもすぐに食べない場合は、嗅覚のおとろえも考えられます。ドッグフードを替えるのも手ですが、あたためて香りを強くするだけでも、食べはじめることがあります。ドライフードなら、少しお湯を足してあたためるといいでしょう。
ただし、熱湯を入れるとビタミンが壊れてしまうので、40~50度くらいのぬるま湯を使います。
食べる力がおとろえている
歯が悪くなってきたり、飲み込む力が弱くなってきたりしたために、食べにくいという場合もあります。ドッグフードをふやかしたり、ふやかしてさらにマッシャーなどでつぶしたりすると食べやすくなります。
また、頭を下げてごはんを食べるのはそれだけでも負担になるので、ごはん台をつくるのもいいと思います。雑誌や本、ブロックなどで食べやすい高さに調整してあげるとラクになります。
食欲をわかせるひと工夫
食欲をわかせるには、ドッグフードになにかトッピングしてもいいでしょう。体によいものを足してあげてください。また、食欲がなくても、お灸やマッサージで体をあたためてあげると、食べる気力が戻ってくることもよくあります。
心配な状態がつづくようなら、早めに病院で診てもらいましょう。
星野 浩子
ほしのどうぶつクリニック院長
獣医師/特級獣医中医師